電気科学技術講演会についてMeeting
電気科学技術講演会とは
各分野の日本を代表するエキスパートによる
時代のトレンドを捉えた講演会
昭和37(1962)年から毎年4月に文部科学省が主催する「科学技術週間」の行事に参加し、「電気科学技術講演会」を催し、電気科学技術の普及啓発に努めています。テーマは、電気科学技術に関してその時代の重大関心事を選び、その道の権威者に講師を依頼して実施しております。講演会場には電力界、産業界、学界、官界、学生など広い分野から多数参加者が見え、熱心に聴講しておられます。
電気科学技術講演会の様子
会場入口の受付風景
講演の様子
会場ロビーの様子
第63回 電気科学技術講演会を開催
電気科学技術講演会 当日レポート
第63回電気科学技術講演会を、去る8月5日(火)、オンライン形式で開催しました。
設備の高経年化、高年齢化・少子化による労働人口の減少、技術継承の困難化により、産業設備の維持・管理、保守・保全が課題となっています。この課題に対して、IoTやAI技術等の先進技術を活用して、インフラのメンテナンスを行う動きが進んでおり、産業現場でのDXの活用例となっています。また近年、学習データから新しい情報やアイデアを生み出す生成AI技術や、実空間(作業現場)をコンピュータ上(仮想空間)に再現する技術の進展は著しく、さまざまな分野で活用する動きが進んでいます。そこで今回、産業現場でのDXの最新動向として、AI技術や仮想空間を産業現場(設備業務)で活用する動きについて取り上げました。
3名の講演者に、それぞれの専門の立場から、実例を交えながら解説して頂きました。
最初に、当会の日髙邦彦会長が開会のご挨拶を述べ、引き続き、3名の講演者が、産業現場でのDXの最新動向として、AI技術や仮想空間を産業現場(設備業務)で活用する動きについて、それぞれの専門の立場から、実例を交えながら解説しました。
株式会社Argopilotの相馬知也氏の講演では、「生成AI時代の産業DX -保全・保安のスマート化と人材戦略の最前線―」と題して、産業現場におけるDXの全体像、インフラ・設備保全におけるデジタル技術の役割、DX推進の現状と今後の展望等について解説して頂くとともに、現場の変革を支えるデジタル人材の役割や、生成AIがもたらす革新と現場への応用可能性、生成AIとDX推進の課題と今後の展望について解説して頂きました。日本と東南アジアでのDXへの取り組み体制の違いについても紹介して頂きました。
東京大学の出町和之氏の講演では、「原子力保全へのAI利用」と題して、原子力産業における(生成AIを含む)AIの適用状況について、海外の状況を含めて解説して頂きました。AIの原子力への応用の現状と今後の展望、設備保全における異常機器の検知と対応策提案のためのAI開発について解説して頂き、大規模言語モデル(LLM)を活用した保守管理文書の生成や、複数AIの組み合わせによるマルチモーダルAIについても紹介して頂きました。
日立製作所の大橋洋輝氏の講演では、「産業現場におけるメタバース・AIの活用事例と展望」と題して、現場外を含めた関係者が、情報を共有することで現場業務を迅速に進めることができる「現場拡張メタバース」の開発について解説して頂きました。エネルギー分野での施工管理や、鉄道、製造分野での保守・保全での活用事例について紹介して頂き、現場作業における作業効率・安全性の向上、及び、技術共有・継承への貢献について解説して頂きました。
最後に、当会の横山明彦理事長が閉会のご挨拶を述べ、本講演会は終了しました。
本講演会には397名の方にご参加頂き、産業現場(設備業務)におけるDXに対する関心の高さを伺い知ることができました。
好評だった近年の講演テーマ・内容
第63回(令和7年度)電気科学技術講演会
産業現場(設備業務)におけるDX -AI・仮想空間の活用-
日時:令和7年8月5日(火)14:30~17:20
会場:オンライン開催
主催:公益財団法人 電気科学技術奨励会
東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻
先端電力エネルギー・環境技術教育研究 アライアンス(APET)
(2団体共催)
後援:一般社団法人 電気学会、株式会社オーム社
- 講演1 生成AI時代の産業DX -保全・保安のスマート化と人材戦略の最前線-
- 相馬 知也氏
(株式会社Argopilot 代表取締役社長
JEITA スマート保安に係る検討会 元主査) - 講演2 原子力保全へのAI利用
- 出町 和之氏
(東京大学大学院 工学系研究科 原子力専攻 准教授) - 講演3 産業現場におけるメタバース・AIの活用事例と展望
- 大橋 洋輝氏
(株式会社日立製作所 研究開発グループ
Digital Innovation R&D先端AIイノベーションセンタ 主任研究員)
第62回(令和6年度)電気科学技術講演会
ワイヤレス電力伝送技術の開発動向
日時:令和6年7月31日(水)14:30~17:33
会場:オンライン開催
主催:公益財団法人 電気科学技術奨励会
東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻
先端電力エネルギー・環境技術教育研究 アライアンス(APET)
(2団体共催)
後援:一般社団法人 電気学会、株式会社オーム社
- 講演1 ワイヤレス電力伝送の技術と実用化の動向
-IoTセンサから宇宙太陽発電まで- - 篠原 真毅氏
(京都大学 生存圏研究所 教授) - 講演2 モバイル・IoTデバイスに向けた
空間伝送型ワイヤレス給電技術 - 田中 勇気氏
(パナソニック ホールディングス株式会社
マニュファクチャリングイノベーション本部) - 講演3 走行中ワイヤレス給電の技術と必要性・実現可能性
- 居村 岳広氏
(東京理科大学 創域理工学部 電気電子情報工学科 准教授)
第61回(令和5年度)電気科学技術講演会
蓄電技術の最新動向
日時:令和5年8月1日(火)14:30~17:25
会場:オンライン開催
主催:公益財団法人 電気科学技術奨励会
東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻
先端電力エネルギー・環境技術教育研究 アライアンス(APET)
(2団体共催)
後援:一般社団法人 電気学会、株式会社オーム社
- 講演1 蓄電池産業の現状と今後の方向性
- 眞柳 秀人氏
(経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 電池産業室長) - 講演2 電力供給における蓄電技術の役割
- 田代 洋一郎氏
(東京電力ホールディングス株式会社
エリアエネルギーイノベーション事業室 スペシャリスト
(蓄電池システム活用)) - 講演3 各種移動体用電池の動向と今後の展望
- 小林 弘典氏
(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域
電池技術研究部門 総括研究主幹)
第60回(令和4年度)電気科学技術講演会
交通・運輸分野におけるカーボンニュートラル
-水素・燃料電池の活用-
日時:令和4年8月10日(水)14:30~17:25
会場:オンライン開催
主催:公益財団法人 電気科学技術奨励会
東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻
先端電力エネルギー・環境技術教育研究 アライアンス(APET)
(2団体共催)
後援:一般社団法人 電気学会、株式会社オーム社
- 講演1 交通運輸分野における
カーボンニュートラルに向けた取組み - 川村 竜児氏
(国土交通省 総合政策局 技術政策課 技術開発推進室長) - 講演2 Hondaにおける燃料電池開発
~カーボンニュートラル実現に向けた多用途展開への取り組み~ - 斗ケ沢 秀一氏
(株式会社本田技術研究所 先進パワーユニット・エネルギー研究所
チーフエンジニア) - 講演3 水素ハイブリッド電車FV-E991系(HYBARI)の開発
- 飯田 隆幸氏
(東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター 環境技術研究所
主幹研究員)
第59回(令和3年度)電気科学技術講演会
AI技術の電力・エネルギー分野への応用
日時:令和3年8月11日(水)14:30~17:30
会場:オンライン開催
主催:公益財団法人 電気科学技術奨励会
東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻
先端電力エネルギー・環境技術教育研究 アライアンス(APET)
(2団体共催)
後援:一般社団法人 電気学会、株式会社オーム社
- 講演1 電気事業におけるAI活用の見取り図
- 堤 富士雄氏
(一般財団法人 電力中央研究所
グリッドイノベーション研究本部 ENIC部門長
博士(工学)) - 講演2 東京電力におけるAI・IoT活用の取組み
~電力流通部門のAI・IoT研究開発及び活用事例~ - 中田 安彦氏
(東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所
技術開発部 次世代電力インフラエリア
発変電スマートO&Mプロジェクトマネージャー) - 講演3 再生可能エネルギー(再エネ)導入拡大に応えるAI技術
- 進 博正氏
(株式会社東芝 研究開発センター 知能化システム研究所
システムAIラボラトリー
博士(理学))
第58回(平成31年度)電気科学技術講演会
進化する“くるま”の電動化と要素技術
- 総論 くるまの電動化の歴史と展望
- 渡邊 昇治氏(経済産業省 大臣官房審議官)
- 電動車の動向
- 上原 隆史氏
(トヨタ自動車株式会社 パワートレーン製品企画部 チーフエンジニア) - 車載用リチウムイオン電池の現状と今後の展望
- 小林 弘典氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 総括研究主幹)
- 電動車両用パワーエレクトロニクスの技術動向
- 奥田 達也氏
(三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 モーター駆動システム技術部 部長) - 自動運転の動向
- 渡辺 純氏(日産自動車株式会社 企画・先行技術開発本部技術企画部 主管)
- 空飛ぶクルマの現状と将来展望
- 三上 建治氏(経済産業省 製造産業局 デジタル戦略官)
第57回(平成30年度)電気科学技術講演会
2019年エネルギー・イノベーション〜スマートグリッド最新情報〜
- 総論 「電力システムのスマート化と将来展望
- 工学博士 横山 明彦氏(東京大学大学院 教授)
- 新島におけるスマートグリッドの実証試験
- 博士(工学) 蘆立 修一氏(東京電力ホールディングス株式会社
経営技術戦略研究所 副所長兼技術開発部長) - 再生エネルギー大量連系に向けた今後の取組み
- 和仁 寛氏
(九州電力株式会社 送配電カンパニー 電力輸送本部 部長(系統運用)) - 重要性を増すスマートインバータ
- 博士(工学) 林 泰弘氏(早稲田大学大学院 電気・情報生命専攻 教授
スマート社会技術融合研究機構 機構長) - 需要家の産業用機器の制御と運用の最適化
- 博士(工学) 馬場 旬平氏(東京大学大学院 新領域 創成科学研究科 准教授)
- 電力業界におけるブロックチェーン利用に関して
- 武田 泰弘氏
(東京電力ホールディングス株式会社 新成長タスクフォース 第二グループ)
第56回(平成29年度)電気科学技術講演会
IoT時代の企業・社会インフラの取組みの現状と期待
- 総論 IoTの動向と課題
- 渡邊 昇治氏(経済産業省 商務情報政策局 情報政策課長)
- ロボット、IoT、AIにより大きく変わるこれからのものづくり
- 工学博士 榊原 伸介氏
(ファナック株式会社 常務理事 ロボット事業本部 技監) - 自動運転を支える技術と開発の取組み
- 金光 寛幸氏(トヨタ自動車株式会社 コネクテッド統括部 総括室 主査 )
- 鉄道におけるIoTの活用に向けた研究開発
- 博士(工学) 古川 敦氏
(公益財団法人 鉄道総合技術研究所 研究開発推進部長) - 宅配事業の品質と安全を支えるしくみ
- 小坂 正人氏
(ヤマトホールディングス株式会社 法務・CSR戦略担当 マネージャー)
第55回(平成28年度)電気科学技術講演会
産業・社会システムとサイバーセキュリティ
- 何故今サイバーセキュリティか
- 安田 浩氏
(工学博士 公益財団法人電気科学技術奨励会 会長
学校法人東京電機大学 学長) - マイナンバーとサイバーセキュリティ
- 向井 治紀氏(内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室長代理)
- 東京オリンピック・パラリンピックとサイバーセキュリティ
- 舘 剛司氏(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 テクノロジーサービス局長)
- スマートメータとサイバーセキュリティ
- 久世 祐輔氏(東京電力株式会社スマートメータ推進室 室長)
- ロボットのディペンダビリティ
- 大場 光太郎氏(工学博士 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
ロボットイノベーション研究センター副センター長) - 医療とサイバーセキュリティ
- 落合 慈之氏(医学博士 東京医療保健大学 学事顧問)
第54回(平成27年度) 電気科学技術講演会
モノづくりの革命をめざす!
3Dプリンタ技術の現状と産業への応用
- 総論/3Dプリンタブーム
- 新野 俊樹氏(博士(工学) 東京大学生産技術研究所 教授)
- なぜ3Dプリンタを使うのか/仕組みと研究開発の現状
- 京極 秀樹氏(工学博士 近畿大学教授 次世代基盤技術研究所・3D造形技術研究センター長)
- 3Dプリンタにおけるソフトウェアと材料
- 山形 一浩氏(シーメット株式会社)
- 産業分野の活用事例集
- 小岩井 修二氏(株式会社コイワイ)
堀 秀輔氏(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)
寺西 正俊氏(パナソニック株式会社)
第53回(平成26年度) 電気科学技術講演会
スマート社会実現に向けて
―電力系統の高度利用を目指して―
- スマート社会を支える電力系統
- 横山 明彦氏(工学博士 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授)
- スマートグリッドの構築に向けて
- 林 泰弘氏(工学博士 早稲田大学先進グリッド技術研究所(RIANT) 所長)
- スマート社会に向けた電力会社の取り組み
- 岡本 浩氏(東京電力株式会社 パワーグリッドカンパニー系統エンジニアリングセンター所長)
- スマートハウスを実現する公知な標準インタフェース“ECHONETLite™”
- 平原 茂利夫氏(エコーネットコンソーシアム運営委員長)

