電気科学技術奨励賞についてAwards

電気科学技術奨励賞とは

募集規定

対象者 電気科学技術分野に関する発明、研究・実用化、ソフトウェア開発、教育等で優れた業績を上げ、原則として職歴5年以上を有する方。
募集部門 電力・エネルギー分野、産業・交通分野、家電・民生機器及びエレクトロニクス分野、情報・通信分野、教育分野。
贈賞 ●電気科学技術奨励賞
賞状、記念楯(雷神像青銅板入)、助成金を贈賞。(昨年度23件)
●文部科学大臣賞
全受賞者の中から特選1件に贈賞。
●電気科学技術奨励会会長賞
全受賞者の中から準特選1件に贈賞。
締切 令和6(2024)年6月28日(金)必着(毎年、原則として6月末締切)
受賞発表 令和6(2024)年10月上旬
応募方法 本サイトより推薦書用紙をダウンロードして頂き、郵送にてご応募下さい。
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これまでの受賞者

令和6年度(第72回)までの授賞件数・受賞者数

  • 授賞件数1,958
  • 受賞者数4,460

令和6年度(第72回)の授賞件数は26件、68名が受賞されました。

●令和6年度 文部科学大臣賞
日本電気株式会社
「医療大規模言語モデルの研究開発と実用化」
●令和6年度 電気科学技術奨励会会長賞
株式会社 明電舎、明電システムソリューション株式会社
「危険感受性向上に効果があるバーチャル・リアリティ技術を使用した安全体感教育の推進」

これまでの受賞者リスト

第71回電気科学技術奨励賞受賞作 内容紹介

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電気科学技術奨励賞並びに文部科学大臣賞[1件]

「世界最高クラスの大容量長距離伝送を世界最小の消費電力で実現することで社会のカーボンニュートラル化を促進する光ネットワーク技術の開発」

富士通株式会社小牧 浩輔
富士通株式会社倉光 浩一
富士通株式会社小田 祥一朗

光1波あたりの伝送容量を、世界最大の1.2Tbpsまで引き上げるデジタルコヒーレント光伝送技術の開発に成功、この技術を適用した光伝送装置1FINITY T900シリーズを製品化し、通信事業者向けに納入が決定している。

現在導入が進む5Gや次世代の6Gを支える光バックボーンネットワークとして、大容量の情報を高速に処理する技術への急速な需要が高まっており、光ネットワークの大容量化と、ネットワーク全体での低消費電力化が求められている。そこで(1)テラビット光伝送システム技術、(2)世界初となる光伝送装置への水冷技術、(3)機械学習を用いた光ネットワークモニタ技術の3つの独自技術を開発、適用することで、世界最高の大容量伝送と低消費電力を両立した。この技術の商用化によって、光ネットワークのカーボンニュートラル化を推進し、持続可能な社会の実現に貢献するものである。

電気科学技術奨励賞並びに電気科学技術奨励会会長賞[1件]

「廃熱を電気エネルギーに変換できる熱電発電の基盤計測技術の開発」

国立研究開発法人 産業技術総合研究所天谷 康孝
国立研究開発法人 産業技術総合研究所島崎 毅
九州大学大学院河江 達也

固体中の電子の運動による熱と電気の相互変換は熱電変換と呼ばれ、この原理を利用して、温度差を電力に変換できる発電素子や、冷却素子の研究開発が行われている。これらの技術は導体に与えた温度差に応じ電圧が生じるゼーベック効果や、電流の向きに応じ物体の両端に温度差が生じるペルチェ効果を利用している。一方、受賞者が着目した「トムソン効果」は温度差のある導体に電流を流すと吸熱・発熱が生じる熱電変換である。単一の物質で発現する唯一の熱電変換であるため、固体中の熱と電気エネルギーの変換係数の絶対的な基準に利用できる。したがって、トムソン効果には高い精度の測定が要求される。しかし、これまで広く利用されてきた手法では、試料から熱が外部へ流出する熱損失等のため、高精度評価は困難であった。

この課題に対して、受賞者は異なる2つの発熱量の比をとることで、熱輻射による熱損失を低減し、トムソン効果を正確に決定するレシオメトリックな手法を発明した。また、1台の装置で、従来の方法よりも少ない独立変数からトムソン効果の決定が可能になった。

これにより、測定精度を5倍以上に高め、測定時間を従来比10倍に短縮することを実現した。さらに、熱流出の影響が大きく、従来は測定が困難であった金属細線やガラス基板上の導体薄膜のトムソン効果の計測も成功した。この技術により、廃熱を電気エネルギーに変換できる発電電子部品の品質を客観的に示すことが可能になり、市場拡大や新市場創出への貢献が期待される。

電気科学技術奨励賞[21件]

「ウェハ常温接合技術の開発とマイクロデバイスへの応用」

国立研究開発法人 産業技術総合研究所高木 秀樹

ウェハ常温接合技術は、半導体、セラミックスなどのさまざまな異種材料のウェハを常温で接合可能で、多様なマイクロデバイス製造工程への応用が期待され、すでに実用化も進んでいる。受賞者は、世界に先駆けて本手法を開発し、接合前の表面処理やウェハの表面粗さなど、接合達成の基本的な条件を学術的な研究から明らかにするとともに、多方面にわたる応用開発を進めてきた。

無線通信用のSAW(表面弾性波)フィルタの分野では、企業との共同開発により、貼り合わせウェハを用いてデバイス特性向上に成功した。このデバイスは企業により実用化され、接合ウェハによるSAWフィルタ高性能化という技術トレンドを作るとともに、5Gはじめ最新の通信規格への対応に大きく貢献してきた。また、パワーデバイス分野でもSiCウェハの接合などへの検討を進めており、グリーンイノベーションへの貢献が期待されている。

「大容量光通信を実現する高度変復調技術の開発と実用化」

三菱電機株式会社吉田 剛
三菱電機株式会社小西 良明
三菱電機株式会社鈴木 巨生

インターネットの普及やモバイル通信の発展により、通信トラヒックへの要求は指数関数的に増加し続けている。その要求に応えるために、メトロ・コアネットワーク領域において基幹系の光ファイバ伝送システムは10年でおよそ10倍近い大容量化が求められ、現在では光信号の伝送速度は400Gbit/sにまで達している。伝送速度を上昇させるには、分散および非線形効果による波形歪みや雑音など、光信号のさまざまな劣化要因が大きな障害となる。これを克服するため、信号劣化への耐性が高くかつ高密度伝送が可能な高度変復調技術を開発し、その実用化を行った。

本技術は大西洋横断海底ケーブルを含む複数のネットワークに導入されている。さらに最新の変復調技術である確率的信号処理技術は、400Gbpsを超える光伝送システムに導入されており、情報通信インフラの提供を通じてさまざまな産業や社会活動の基盤として貢献している。

「視覚障害者のための自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」の開発」

Carnegie Mellon University佐藤 大介
日本アイ・ビー・エム株式会社村田 将之
清水建設株式会社木村 駿介

現在、視覚障害者が1人で移動する際、多くの場合白杖や盲導犬などの手段を用いてあらかじめ習得した経路を辿ることが一般的であり、不慣れな場所を1人で歩くことは非常に困難である。自立した自由な移動を実現することは、長らく大きな課題であった。

受賞者らは、視覚障害者が初めて訪れる大規模な公共施設や街区でも、目的地を選択し、ロボットの動きに追随して歩くだけで容易に自立して移動できる自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」を開発した。スーツケースをベースに選んだのは、使いやすさと街の景観に馴染むデザインを考慮したためである。安全性を確保するために、センサ群と周囲の人や障害物を認識し回避する技術を搭載した。また、行き先を選択し街を案内する音声対話システムや、移動方向を知らせるための触覚デバイスなどを搭載することで利便性を高めた。

このロボットは、各地で行われている実証実験において、誰でも容易に使い始めることができ、これまでの移動支援技術にはない安心感があると評価されており、実用化に向けた取り組みが進行している。

「小型・高効率MEMS振動発電素子の実用化」

株式会社 鷺宮製作所三屋 裕幸
静岡大学橋口 原
東京大学年吉 洋

すべてのモノに付随する情報をネットに接続するIoT※1技術の進展により、道路・鉄道・ライフラインの社会インフラ安全監視や、工場の故障予知などの知識集約型情報産業が加速しつつあるが、実空間における情報の入り口となる分散センサに電源を供給する方法として、電池以外の決定的な手段がなかった。

そこで本研究グループでは、環境に普遍的に存在する微小な機械振動を新たなエネルギー源として捉え、これを高効率で電力に変換するMEMS※2型のエナジーハーベスタを共同で研究開発した。この成果により、IoT無線センサに半永久的に電力を供給する自立小型電源の基盤技術を確立した。

※1 IoT = Internet of Things
※2 MEMS = Micro Electro Mechanical Systems

「国内初となる自然由来ガスを用いた環境調和型電力用GISの開発および実用化」

東芝エネルギーシステムズ株式会社向田 彰久
東京電力パワーグリッド株式会社中村 圭佑
株式会社 明電舎立川 慎吾

SF6は化学的に安定で高い絶縁性能や電流遮断性能を有しており、送変電機器の絶縁媒体として過去50年にわたり世界で使用されてきた。一方、SF6はCO2と比べて24,300倍の高い地球温暖化係数を有しており、近年その使用削減が求められている。

本環境調和型電力用ガス絶縁開閉装置(GIS)は絶縁媒体として地球温暖化係数が0であるドライエア(N2とO2の混合ガス)を採用した。ドライエアは同ガス圧力下でSF6よりも絶縁性能および冷却性能が3分の1程度にとどまるものの、各種新規技術を採用し経年GISの更新案件に対応可能な機器サイズを実現し、2022年に電力会社向けGISとして国内で初めて開発を完了、2022年12月に東京電力パワーグリッド(株)府中変電所向けに据付を完了し、2023年2月に運転を開始し実用化した。

「未知の状況にも適用可能な高精度混雑度モデルの開発と混雑予報サービスの商用化」

ヤフー株式会社坪内 孝太
東京工業大学下坂 正倫
ヤフー株式会社丸山 三喜也

曜日、時間帯、天候など複数の条件(以下、環境と呼ぶ)に依存する地域の混雑度(1km2に存在する人の数)を、別の地域の混雑度に基づいて学習したデータを用いて、高精度に予測する方法を開発した。予測対象の地域、環境における混雑度データが皆無でも、実用的な精度で予測できる。

コロナ禍による混雑情報に対するニーズの急増に応えて、月間7,000万ユーザーが利用するYahoo! JAPANの4アプリ(ポータル、乗換案内、カーナビ、マップ)に、2020年4月に導入した。 マクロミルによる第3者調査(1万ユーザー対象)で、提示された混雑情報に基づいて20%のユーザーが行動を変えたことが明らかになり、有効性が確認された。

プレスリリース11件に基づいて、日本経済新聞を含む35件の新聞記事、88件のウェブ記事として商用化が広く報道されたことは、極めて高い社会的関心を示している。特許出願40件(うち20件登録済)、AAAIやUbiCompなど人工知能やユビキタスコンピューティング分野の主要国際学会発表10件、情報処理学会2022年度業績賞など受賞4件、Interop Tokyoなど招待講演8件と技術的評価も高い。

「多電源システムにおいて複数台の電力変換器を一体化する統合型電力変換器の開発」

茨城大学鵜野 将年

近年、バッテリの導入等により電気製品/システムの多電源化が進むとともにシステムで用いられる電力変換器の台数は増加しており、システムが複雑化・大型化する傾向にある。受賞者らは、1台の電力変換器で複数電源の同時制御が可能な、統合型電力変換器とその導出手法を開発した。

従来の研究開発では、電力変換器単体の部品点数削減や小型化等の“コンポーネント単位”での改良が主目的であったのに対し、本研究は複数台の電力変換器を統合する“システムレベル”の試みである。変換器の台数削減による小型化ならびにコスト削減は、コンポーネント単位での効果と比べて顕著であるのみならず、システムの簡素化にも大きく寄与する。受賞者らが確立した導出手法に基づけば、用途や要求仕様に応じてさまざまな電力変換器を統合できるため、技術的応用範囲が極めて広い。また、幾多の派生回路を創出できるため、学術的価値も高い研究成果である。

「生体認証実用性の拡大のための虹彩認証技術におけるNIST IREX10の1位獲得と維持」

日本電気株式会社戸泉 貴裕
日本電気株式会社高橋 巧一
日本電気株式会社塚田 正人

近年、さまざまな生体認証システムが実用化されて日常生活に普及し利便性を高めてきたが、単一モーダルの生体認証は大人数での安定した本人確認が難しかった。そのため、常に安定した高い認証精度が必要な決済などの市場では、生体認証を用いることができず利便性を高めることができなかった。

受賞者らは、虹彩認証を徹底的に強化し、NECが保有する世界第1位の認証精度を持つ顔認証とのマルチモーダル認証を行うことで、常に安定した高い精度での本人確認を実現できると考え、2018年から虹彩認証の高精度化に関する研究を開始した。虹彩認証エンジンを継続的に強化するために、受賞者らは2020年よりNIST(米国国立標準技術研究所)が実施している虹彩認証のベンチマークテストIREX10へ継続的に挑戦し、2021年8月に精度世界第1位を獲得した。その後2年間、さらなる高精度化により世界第1位を維持している。

さらに、ともに世界第1位の精度を持つ顔認証と虹彩認証のマルチモーダル認証システムを製品化し、生体認証の導入が難しかった決済などの市場での利便性の向上と安全・安心の実現に貢献した。

「高圧縮・低遅延・符号誤り耐性を同時実現する音声符号化技術BRAVEの研究開発と実用化」

日本電信電話株式会社杉浦 亮介
日本電信電話株式会社鎌本 優

音声音響符号化の分野で従来困難であった、高圧縮、低遅延、符号誤り耐性を同時に実現し、ほぼ原音という高音質を達成するための複数の要素技術を統合したBitplane Rearrangement for Audio and Voice Encoding (BRAVE) という新たな符号化方式を考案した。本方式はデジタルワイヤレスマイクの音質を保ちつつ、約半分の情報量に圧縮することで同時利用可能マイク数を増やせるため、根幹技術として商用製品に採用されている。

本成果は受賞者らが音声音響符号化の専門家として長年国際標準技術の策定に貢献してきた中で培った世界最高・最先端技術の結晶とも言える。限られた無線や電力をかつてない効率で利用できるようになったため、将来のSociety 5.0に必要な、人と人、人と物の間の音声通信をより大規模にし、次の次元に推し進めるための基盤技術となることが期待される。

「三次元点群データを電車線路設備の保全・設計に活用するソフトウェアの開発と実用化」

東日本旅客鉄道株式会社貴志 俊英
東日本旅客鉄道株式会社猿田 裕司
株式会社 富士テクニカルリサーチ高橋 久範

近年、土木・建築・機械分野では三次元点群データによる技術革新が進んでいるが、電気鉄道の分野においては、長大な屋外空間に機器・金具・鋼材・線条等の構成物が点在し、いずれも端的に細いことから、正確な描写には高密度な点群測定が求められる。しかし、3Dスキャナの性能とコンピュータ資源の限界により、点群の密度が不足するという課題がある。

そこで、電気鉄道の電車線路設備に特化して、比較的粗い三次元点群データから、設備の構成物を三次元モデル(以下、3Dモデル)として認識する技術(アルゴリズム)を開発し、3Dモデル相互間の離隔寸法を測定できるソフトウェアとして実装した。このソフトウェアは、社内で使用するほか、一般販売も行っている。

本技術の導入以前は、列車を高頻度で運転している路線においては現地における電車線路設備の各種の離隔・寸法測定は困難であったが、点群データと3Dモデル化の技術により、線路外に配置した3Dスキャナで容易に測定が可能になったことで、夜間作業を日中作業に置き換える等、働き方改革にも効果を発揮している。

「重粒子線治療向け回転ガントリー照射装置のX線撮影装置の自動校正手法」

株式会社 東芝坂田 幸辰
東芝エネルギーシステムズ株式会社岡屋 慶子
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構森 慎一郎

重粒子線を腫瘍に正確に照射するには、正しく患者位置決めを行う必要がある。患者位置はX線撮影装置で撮影するX線画像を参照して定めるため、X線撮影装置の位置校正が必須である。回転ガントリー照射装置は360度任意の角度から治療ビームを照射できるため、重要臓器を避けて照射する場合にも、患者を傾けるなどの負担をかける必要がなくなる。一方、装置全体でX線撮影装置も同時に回転するため、角度ごとに校正が必要になり、作業量が膨大になる。

本技術は、回転ガントリーの角度を変えながら校正用マーカーをX線撮影し、画像内のマーカー位置からそれぞれの角度のX線撮影装置の位置を自動計算する。量子科学技術研究開発機構QST病院の回転ガントリー照射装置で校正作業を大幅に省力化することを実証し、ユーザー負担の低減を実現した。山形大学での製品化を皮切りに、韓国延世大学病院、韓国ソウル大学病院に順次展開を予定している。

「ミリ波レーダー向け「ハロゲンフリー超低損失多層基板材料“XPEDION1”」の開発と実用化」

パナソニック インダストリー株式会社有沢 達也
パナソニック インダストリー株式会社平塚 大悟
パナソニック インダストリー株式会社後藤 寛久

自動運転技術の開発を支える上で各種センシングデバイスが重要視されている。その中でも、特に天候や夜間などの環境に左右されずにセンシングが可能なミリ波レーダーが期待されている。従来、ミリ波レーダーのアンテナ層にはフッ素樹脂基板が主に使われてきたが、フッ素樹脂基板は高価でかつ一般的なFR4基板と比べて基板製造時の加工制約が多いため、ミリ波レーダーを広く普及させる上で課題となっていた。

そこで、当社保有の低誘電技術であるPPE樹脂に着目し、その化学構造や独自の酸化抑制技術の創出により、フッ素樹脂基板に置き換わる新しい低誘電熱硬化性樹脂を開発した。開発した基板でのミリ波レーダーの伝送損失は、従来のフッ素樹脂基板よりも約20%低減させるとともに、高温環境下での安定性はフッ素樹脂基板と同等であることを確認した。また、加工性に関しては、アンテナ基板加工に不可欠なドリル、レーザー、めっきプロセスともに、FR4基板の加工プロセスで加工可能なことを実証した。

当社独自の低誘電熱硬化性樹脂の開発により、ミリ波レーダー基板の製造をより汎用化させることが可能となり、今後ますます期待されるミリ波レーダーの世界的普及に貢献するとともに、人の命を守る自動車社会の実現を基板材料技術の立場から後押しするものであると考えている。

※FR4基板(Flame Retardant Type 4:ガラス繊維を布状に編んだガラス織布にエポキシ樹脂を滲みこませた素材)

「自由曲面光学技術と薄型照明技術を用いた小型ヘッドアップディスプレイの開発と実用化」

パナソニック ホールディングス株式会社葛原 聡
パナソニック ホールディングス株式会社淺井 陽介
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社杉山 圭司

ドライバーの視線の先にさまざまな情報を映像として投影するヘッドアップディスプレイ(HUD)は、ドライバーとシステムとの快適なインタラクションを提供する製品として普及が進んでいるが、限られた車両空間の中で大画面・低歪みの映像投影が可能なHUD本体の小型化と、直射日光下のように画面表示が視認しづらい環境下においてもドライバーに鮮明な画像を提供することが課題となっていた。

これらの課題を解決するために、デジタルカメラの開発で培った光学技術を生かしたフル自由曲面ミラーと、液晶ディスプレイの照明技術を応用した独自の高輝度薄型PGU(Picture Generation Unit)を開発し、本体の小型化と低歪みで明るく鮮明な大画面化を実現した。この技術により、さまざまな車種へのHUDの普及を拡大するとともに、自動車の安全性や快適性の向上に貢献していく。

「データセンターの電力安定供給に貢献する大容量無停電電源システムの開発」

富士電機株式会社濱田 一平
富士電機株式会社根本 健司
富士電機株式会社長光 佳紀

従来、情報社会のクラウド化および電子商取引の増加やAI技術革新に伴い、世界中でデータセンター(DC)の建設が増えている。DCは、重要な情報を保管するサーバの保守・運用やインターネット接続などの提供を行う。そのため、DCにおける給電は安定かつ継続的に行われることが必要である。

富士電機は、DCの電気設備全体の設計から運用支援まで一貫したエンジニアリングを提供し電力の安定供給や省エネルギー(省エネ)化、省スペース化に貢献している。この中核となる機器の1つが、停電などの電源異常時にも電力供給を継続する無停電電源装置(UPS)である。北米やアジアを中心に建設が増大しているハイパースケールDCでは、電力使用量が膨大となるため、UPSにはさらなる大容量化と省エネ化が求められている。富士電機は、電力変換回路やUPSモジュールの並列制御などのプラットフォーム技術を基に、単機UPSとして世界最大レベルの2,400kVA/kWまで拡張可能な大容量無停電電源装置「UPS7500WX」を開発した。

「電気抵抗ゼロの超伝導現象を「見て!」「触って!」「驚く!」体験を通してイメージする対話型体験学習の実践」

山口大学大学院原田 直幸
山口大学崎山 智司
山口大学岡田 秀希

本実践では山口県内各地で開催される市民参加のイベント、小学生のクラブ活動や科学教室、高校生までを対象とした出前授業などに、対話型の体験学習を提供した。この中で、未就学児童・小学生・中高校生・保護者やイベントの参加者を含め、約3,700名1人1人が「超伝導磁気浮上装置」での浮上を体験した。卓上型の実験の体験者は5,000名を越え、超伝導現象や応用技術に触れ、実際に体験してもらうことで、間もなく実用化される超伝導磁気浮上式鉄道などを身近に感じてもらう機会とした。

これらに使用した機材は、競争的資金を獲得・活用して準備し、超伝導応用の研究を行っている山口大学の大学生・大学院生が「超伝導磁気浮上装置」の設計検討を行い、成果を発表し、卒業論文・修士論文の作成につなげた。さらに、学生には体験学習を提供するスタッフとしても協力してもらい、学生のアウトリーチ活動の場とした。下関市の大型商業施設でのイベントを皮切りに、本実践の様子は山口県内のテレビや新聞各紙で度々紹介され、県内のイベントや科学教室などから参加依頼も多数寄せられ、提供の場が広がっていった。

「多忙な医師の診断を支援するAIを活用した3次元類似症例画像検索技術の開発と新型コロナウィルス診断での実用化」

富士通株式会社森脇 康貴
富士通株式会社宮崎 信浩
富士通株式会社武部 浩明

国内の医療分野における画像診断では、数少ない医師が大量の医用画像をチェックする必要があり、医師の業務負担が大きいことが深刻な課題であった。中でも、診断数のかなりの割合を占める肺炎などを含む、びまん性肺疾患と呼ばれる疾患群は異常陰影が臓器全体に広がり、その異常陰影の広がり方によって複数の病名が考えられる。そのため、病名判断の参考となる異常陰影の立体的な広がり方が類似する病名付きの過去症例(以下、類似症例)を医師が探すためには豊富な専門知識や経験が必要となり、人手による作業に多大な時間を要していた。

受賞者らは、本課題を解決するために、臓器内の解剖学的な構造に着目した独自の画像解析手法を考案し、類似症例を医師と同様の見方で瞬時に検索できる3次元類似症例画像検索技術を開発した。本技術により、びまん性肺疾患などの判断が難しい症例では、最大で50分程度要していた医師による類似症例の検索作業を数秒程度に短縮した。類似症例の病名などを判断する際の参考としても活用できる。

また、膨大な画像を見る医師の負荷軽減だけでなく、検査当日に患者に結果を伝えることが可能になり、結果を聞くために日を改めて再来院する患者の負担軽減への寄与も期待できる。

「スマートメーターの計量値を活用した負荷管理手法の開発」

中部電力パワーグリッド株式会社田中 秀和
中部電力パワーグリッド株式会社西尾 拓也
中部電力パワーグリッド株式会社岩田 靖之

配電系統には、住宅や小規模工場へ電力を供給するために、柱上変圧器や低圧線(以下、「低圧配電設備」という。)が膨大に設置されている。一般送配電事業者は、低圧配電設備が過負荷により焼損し停電等のトラブルが発生することを防ぐために、低圧配電設備の設備利用率を管理している。

今般、全国の一般送配電事業者の中で初めて、電気料金の諸元となるスマートメーターの計量値を使って、低圧配電設備の設備利用率の厳密な管理を可能にする手法(以下、「新手法」という。)を開発した。低圧配電設備の設備利用率の計算には、当該設備が供給する需要家群の電力使用量の合計値の最大値(以下、「合成最大電力」という。)を求める必要がある。従来は、需要家群の契約容量に基づき合成最大電力を推定していたが、低圧配電設備が過負荷となるリスクを回避するため、推定誤差を見込む必要があった。

一方、新手法では、需要家に設置されているスマートメーターの計量値を低圧配電設備ごとに集約し、当該設備が供給する合成最大電力を算出する。実測値であるスマートメーターの計量値から合成最大電力を算出するため、推定誤差を見込む必要がない。新手法を用いることにより、低圧配電設備の設備容量の適正化を図ることができ、設備投資費用の大幅な削減が可能となった。

「電圧集中制御による配電系統の高度化(次世代グリッド化)」

中部電力パワーグリッド株式会社岩本 泰典
中部電力パワーグリッド株式会社和田 英樹
中部電力パワーグリッド株式会社岩田 靖之

太陽光発電設備(PV:PhotoVoltaic generator 以下、PVとする)の連系量増加に伴い、配電系統における供給電圧を適正に維持することが困難となっている。PVによる電圧上昇に対応するには、従来型の電圧調整器を多数増設しなければならず、今後の設備投資が大幅に増加する恐れがあった。そこで、遠隔制御可能な新型電圧調整器と、これを自動的に遠隔制御する新システムを開発した。

新システムでは、スマートメーターの計量値と配電自動化開閉器の計測値を組み合わせてPVによる電圧上昇を踏まえた配電系統状態を推定することで、新型電圧調整器の調整の基準である設定値(整定値)を最適な値に、きめ細やかに自動変更することを可能とした。これにより、PVなどの再生可能エネルギーの連系量の増加に対して、電圧調整器の設置台数の増加を抑制しつつ、供給電圧を適正範囲に維持することが可能となった。

「位相コントラストX線CT装置の開発」

株式会社 島津製作所木村 健士
株式会社 島津製作所土岐 貴弘
株式会社 島津製作所森本 直樹

飛行機、自動車、および風力発電のブレードなどの構造材料として、軽量かつ高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が注目されている。CFRPは微細な炭素繊維で構成されており、炭素繊維の配向などの要素が強度に影響するため、それらの観察が求められる。従来の観察手法では、観察視野が狭く、全体の傾向を把握することが困難であった。

そのため、広視野かつ微細構造の観察に適した国産初の位相コントラストX線CTシステムを開発した。Talbot-Law干渉計とCT撮影手法を組み合わせることで、微細構造の情報を含んだ散乱の断層像を取得できる。さらに、繊維群の散乱の異方性を利用して、回折格子とサンプルの角度による散乱変化から、繊維の配向解析を可能にした。この繊維配向の情報は、CFRPの研究や製品開発に活用されており、軽量化や安全性向上への貢献が期待されている。

「再エネ主力電源化に貢献する短時間先日射量予測・解析システムの開発と実用化」

一般財団法人 電力中央研究所橋本 篤

太陽光発電が大量に導入された電力系統において、日射量の変化によりエリア全体の太陽光発電(PV)出力が大きく変動した場合、PV出力の変動を適切に制御できなければ、需要と共給のバランスが崩れて周波数が変動し、最悪の場合は停電が発生する可能性がある。この対策に資するため、気象庁の静止気象衛星であるひまわり8号/9号の衛星画像を用い、エリア全体の現況と最大6時間先までの日射量分布を空間解像度1kmの高解像度で高精度に推定・予測できる技術とそれに基づくソフトウェアを開発した。

ソフトウェアはシステム化され、太陽光発電が大量導入されてその制御が課題となっている幾つかの電力会社の中央給電指令所での再生可能エネルギー(再エネ)に関わる日々の系統運用業務で活用された。さらに、運用業務からのフィードバックに基づき、システムの改良と機能追加が継続的になされている。

「高速道路での手放し運転を可能とする高度先進運転支援ECUを片手サイズで実現するハードウェア設計技術」

株式会社 日立製作所植松 裕
株式会社 日立製作所遠山 仁博
日立Astemo株式会社河喜多 心哉

自動車の交通事故低減や運転者負荷低減による安全・安心で快適な社会の実現に向け、先進運転支援システム(ADAS)を搭載した車両の開発が加速している。ADAS搭載車両のさらなる普及に向け、高速道路でのハンズオフ機能などの高度な車両制御の実現と、装置小型化による車内設置容易性向上が必須である。

当社は高度な車両制御を実現可能な片手サイズのADAS-ECUを開発し、自動車メーカへの量産出荷を開始した。本開発では、数Gbpsクラスの信号伝送を有する高速動作に対して、動作品質を保ちながら基板の配線密度を限界まで高めて小型化する配線密度限界設計技術を確立した。また、高周波電磁ノイズの増大に対し、ノイズ伝播方向を誘導する技術を適用することで、装置外へのノイズ漏洩を抑制し、電磁両立性を確保した。これらにより、高機能でありながら車内設置が容易な片手サイズの小型ADAS-ECUを実現し、安全・安心で快適なモビリティ社会に貢献した。

電気科学技術奨励賞 贈呈式

第71回 電気科学技術奨励賞贈呈式を開催しました

公益財団法人電気科学技術奨励会主催の第71回電気科学技術奨励賞贈呈式が、去る11月30日(木)に東京神田の学士会館において開催されました。


1. 開催概要

第71回電気科学技術奨励賞には、多数の機関・団体から受賞候補者のご推薦を頂き、46件、125名の応募が寄せられました。9月8日(金)に行われた最終審査委員会において、受賞候補の中から23件、62名の電気科学技術奨励賞受賞者を決定しました(第71回電気科学技術奨励賞受賞者名簿)。

全受賞者の中から、「世界最高クラスの大容量長距離伝送を世界最小の消費電力で実現することで社会のカーボンニュートラル化を促進する光ネットワーク技術の開発」(富士通株式会社)が特選1件として選ばれ、文部科学大臣賞に輝きました。さらに、特選に次ぐ1件として、「廃熱を電気エネルギーに変換できる熱電発電の基盤計測技術の開発」(国立研究開発法人 産業技術総合研究所、九州大学大学院)が電気科学技術奨励会会長賞に選ばれました。

今回の受賞者を加え、第1回から第71回までのトータル受賞件数は1,932件、受賞者数は延べ4,392名に達しております。

本奨励賞の贈呈式には例年、受賞者をはじめ、受賞者のご家族、及び多くの来賓をご招待していますが、過去3年間(第68回、第69回、第70回)は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、出席者を絞った形での式典とさせて頂き、また、贈呈式後の祝賀パーティーについては、飲食を伴うことから開催致しませんでした(出席頂けない方への配慮として、式典の模様を、インターネットを通じて簡易な形式で配信しました)。

今回、受賞者に加え、受賞者のご家族と来賓を贈呈式に招待致しました。ただし、5類に移行したとはいえ、コロナ禍が完全に終息したわけではないため、過密にならないよう、受賞者の同伴者の人数と、来賓の人数を制限することに致しました。

また、贈呈式後の祝賀パーティーも4年ぶりに開催致しました。


2. 贈呈式レポート

秋も深まった11月30日(木)、第71回電気科学技術奨励賞贈呈式が、東京の学士会館にて午後4時に開会しました。

式典ではまず、当会の日髙邦彦会長が式辞を述べ、さらに審査委員会委員長として審査結果の報告を行いました。

次に、受賞者全員に電気科学技術奨励賞の賞状と雷神像の楯、副賞(賞金)の贈呈があり、引き続いて文部科学大臣賞の贈呈、電気科学技術奨励会会長賞の贈呈と進みました。

各賞の贈呈の後、来賓の祝辞(文部科学省研究振興局長、総務省国際戦略局長、国土交通省大臣官房技術総括審議官、経済産業省資源エネルギー庁長官)が披露されました。

その後、全受賞者を代表して、文部科学大臣賞受賞の富士通株式会社の小牧浩輔氏が答辞を読み上げました。続いて、小牧氏により、大臣賞受賞作の内容が解説されました。

文部科学大臣賞受賞作の解説をもって、贈呈式は滞りなく終了しました。

  • 贈呈式会場 贈呈式会場
  • 受付(右手前は展示された記念楯) 受付(右手前は展示された記念楯)
  • 式辞を述べる日髙会長 式辞を述べる日髙会長
  • 奨励賞受賞を祝して壇上にて記念撮影 奨励賞受賞を祝して壇上にて記念撮影
  • 文部科学大臣賞の贈呈 文部科学大臣賞の贈呈
  • 奨励会会長賞の贈呈 奨励会会長賞の贈呈
  • 文部科学省研究振興局長祝辞(代読・水野浩太 文部科学省研究振興局 振興企画課 奨励室長) 文部科学省研究振興局長祝辞
    (代読・水野浩太 文部科学省研究振興局 振興企画課 奨励室長)
  • 総務省国際戦略局長祝辞(代読・川野真稔 総務省国際戦略局 技術政策課長) 総務省国際戦略局長祝辞
    (代読・川野真稔 総務省国際戦略局 技術政策課長)
  • 国土交通省大臣官房技術総括審議官祝辞(代読・川村竜児 国土交通省総合政策局 技術政策課長) 国土交通省大臣官房技術総括審議官祝辞
    (代読・川村竜児 国土交通省総合政策局 技術政策課長)
  • 経済産業省資源エネルギー庁長官祝辞(代読・中富大輔 経済産業省資源エネルギー庁 電力・ガス事業部電力基盤整備課 電力供給室長) 経済産業省資源エネルギー庁長官祝辞
    (代読・中富大輔 経済産業省資源エネルギー庁 電力・ガス事業部電力基盤整備課 電力供給室長)
  • 受賞者代表による答辞 受賞者代表による答辞
  • 文部科学大臣賞受賞作の内容解説 文部科学大臣賞受賞作の内容解説

贈呈式終了後、午後5時50分より、祝賀パーティーが、受賞者(同伴者を含む)と来賓を交え、4年ぶりに開催されました。

祝賀パーティーは、横山明彦理事長の開会の挨拶と乾杯の音頭でスタートしました。贈呈式の厳粛さとは一変し、和やかな雰囲気の中で参加者の懇談が進みました。

午後7時過ぎ、坪井裕副会長により中締めが執り行われ、盛会のうちに終了しました。100余名を数えた参加者は、それぞれ思い思いに歓談され、同伴者ともども受賞を喜び合いまいた。

公益財団法人電気科学技術奨励会は、電気科学技術奨励賞を主事業として、今後も次世代を担う電気科学技術を支える研究者、技術者、教育者の顕彰と支援を行い、また内閣府および文部科学省の傘下にあって科学技術立国を目指す人材の育成を通して社会貢献に努めてまいりたいと存じます。

  • 横山理事長による祝賀パーティー挨拶 横山理事長による祝賀パーティー挨拶
  • 祝賀パーティー風景 祝賀パーティー風景
  • 坪井副会長による中締め 坪井副会長による中締め

For Student 未来の研究者・技術者の育成のために

電気科学技術奨励学生賞とは

概要

電気科学技術奨励学生賞は、日本国内で開催される国際会議において、優秀な論文を発表した大学院生・大学生を対象に顕彰します。主に電気系5学会(電気学会、電子情報通信学会、情報処理学会、映像情報メディア学会、照明学会)のご推薦をいただきながら、毎年10人程度を上限に賞状と研究助成金を贈呈するものです。なお、電気系5学会以外の学生が参加を認められている電気関連国際会議がありましたらご紹介いただきたいと存じます。

電気科学技術奨励学生賞 賞状 電気科学技術奨励学生賞 賞状(一例)

これまでの受賞者

年度(回数) テーマ 表彰人数
平成30年度
(第13回)
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '18) 2件、2名
(国内の学生2名)
平成30年度
(第12回)
パワーエレクトロニクスに関する国際会議
(IPEC-Niigata 2018)
5件、5名
(国内の学生2名、海外の学生3名)
平成29年度
(第11回)
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '17) 2件、2名
(国内の学生1名、海外の学生1名)
平成28年度
(第10回)
電気機器及びシステムの分野における国際会議
(ICEMS 2016)
8件、8名
(国内の学生5名、海外の学生3名)
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '16) 1件、1名
(国内の学生1名)
平成27年度
(第9回)
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '15) 1件、1名
(国内の学生1名)
平成26年度
(第8回)
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '14) 2件、2名
(国内の学生1名、海外の学生1名)
パワーエレクトロニクスに関する国際会議
(IPEC - Hiroshima 2014)
3件、3名
(国内の学生2名、海外の学生1名)
平成25年度
(第7回)
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '13) 2件、2名
(国内の学生1名、海外の学生1名)
平成25年度
(第6回)
ソフトウェアプロダクトラインに関する国際会議(SPLC) 3件、3名
(国内の学生1名、海外の学生2名)
平成24年度
(第5回)
電気機器及びシステムの分野における国際会議(ICEMS) 4件、4名
(国内の学生3名、海外の学生1名)
平成24年度
(第4回)
民生用電子技術に関する国際会議(IEEE GCCE 2012) 5件、5名
(国内の学生3名、海外の学生2名)
平成23年度
(第3回)
誘電・絶縁材料に関する国際会議(ISEIM 2011) 10件、10名
(国内の学生4名、海外の学生6名)
平成22年度
(第2回)
パワーエレクトロニクスに関する国際会議
(IPEC-Sapporo 2010)
10件、10名
(国内の学生5名、海外の学生5名)
平成21年度
(第1回)
電気機器及びシステムの分野における国際会議(ICEMS) 9件、9名
(国内の学生6名、海外の学生3名)

平成21年〜平成30年までの学生賞受賞者分布

学生賞受賞者分布

●国内外の国別受賞者数
(平成30年5月31日 現在)

  • 日本 34名
  • 中国 6名
  • アメリカ 3名
  • スウェーデン 2名
  • マレーシア 3名
  • フランス 1名
  • オランダ 1名
  • デンマーク 1名
  • バングラデシュ 1名
  • タイ 1名
  • ベトナム 1名
  • フィリピン 1名
  • 台湾 1名
  • 韓国 1名
  • ドイツ 2名
  • インドネシア 1名

●国内の都道府県別受賞者数
(平成30年5月31日 現在)

  • 東京 14名
  • 大阪 5名
  • 愛知 3名
  • 新潟 3名
  • 宮城 1名
  • 岐阜 1名
  • 広島 1名
  • 福岡 1名
  • 長崎 2名

電気科学技術奨励学生賞 贈呈式

平成30年度電気科学技術奨励学生賞の贈呈式を開催(IDW'18での優秀論文)

IDW'18(The 25th International Display Workshops:ディスプレイ技術分野の国際ワークショップ)が平成30年12月12日より14日まで、名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)で開催されました。当法人は、このワークショップで優秀な論文を発表した主として国内外の大学院生に対して、賞状及び研究助成金を贈呈しています。今回のワークショップでは、日本の大学院生2名が平成30年度電気科学技術奨励学生賞を受賞されました。

贈呈式は、平成31年3月12日(火)に東京都港区芝公園の機械振興会館会議室において実施されました。同賞の今回の受賞者として、東京大学大学院 平木剛史氏と筑波大学大学院 富田洋文氏の2名が選出されました。贈呈式には平木剛史氏の指導教官の苗村健教授も出席し、賞状と研究助成金の授与にも立ち会われ、表彰を祝っておられました。

なお、平木氏の研究テーマは、可視光通信プロジェクタにおいて、ハードウェア符号化を用いることで高画質とインタラクティブな情報更新を両立させる手法に関するもの、富田氏の研究テーマは、静電気力を用いた触覚ディスプレイにおける触覚強度のモデル化に関するものでした。


  • 平木剛史氏への贈呈
  • 富田洋文氏への贈呈


平成30年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声

この度は、IDW'18における発表について電気科学技術奨励学生賞を頂くことができ、非常に光栄でございます。
本論文を査読、評価して頂いたIDW関係者の方々並びにご推薦頂いた映像情報メディア学会、そして奨励会関係者の方々に厚く御礼申し上げます。また、本研究を進めるにあたり熱心かつ丁寧な御指導を賜りました苗村健教授に深く感謝致します。
今後も、電気科学技術分野の発展に寄与できるよう、研究活動に邁進していきたいと考えております。
誠にありがとうございました。

東京大学大学院
情報理工学系研究科 電子情報学専攻
平木剛史

平木剛史氏と指導教官の苗村健教授 左は指導教官の苗村健教授


平成30年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声

この度はIDW'18にて電気科学技術奨励学生賞を受賞させて頂きありがとうございます。また、本論文を査読及び評価し、栄誉ある本賞に推薦していただいた関係者の方々にも心から感謝申し上げます。
本賞の受賞で得られた研究に対する自信を今後の研究に活かすと共に、研究テーマである「触覚ディスプレイ」の発展に貢献できるよう日々努力していきます。
最後に、本賞に至るまでに助言を頂いた指導教員の高橋伸准教授を始めとする共著者の皆様には感謝致します。本当にありがとうございました。

筑波大学大学院
システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻
富田洋文

富田洋文氏 富田洋文氏





平成30年度電気科学技術奨励学生賞の贈賞式を開催

表彰された8名の受賞者 受賞者(5名)と事務局長(当時、右)

平成30年度電気科学技術奨励学生賞として、IPEC-Niigata 2018(2018 International Power Electronics Conference, IPEC-Niigata 2018 -ECCE Asia- : パワーエレクトロニクスに関する国際会議)が平成30年5月20日より24日まで、ANAクラウンプラザホテル新潟(新潟県・新潟市)で開催された。この会議は電気学会産業応用部門主催のIPECとして、日本、韓国、中国の電気学会の共催により各国持ち回りで開催されている。2018年は日本が開催国であった。

当法人は、この会で優秀な論文を発表した主として国内外の大学院生に対して、賞状及び研究助成金を贈呈している。今回は日本の大学院生2名(長岡技術科学大学、東京理科大学)、インドネシアの大学院生1名、中国の大学院生1名、アメリカの大学院生1名の計5名が受賞された。

贈賞式は、5月24日(木)19:00から行われたバンケットの会場で、論文委員長の宇都宮大学・船渡寛人先生の紹介で、全員が壇上に参集し、賞状と研究助成金を受け取った。会場は総立ちになり、バンケット会場には歓声と拍手がこだまし、若者に喜びのエールが送られた。


  • バンケット風景(参加者は約1,000名)
  • 賞状の授与
  • 表彰者リストの紹介


平成30年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声

この度は、IPEC-Niigata 2018にて電気科学技術奨励学生賞という栄誉ある賞を頂きまして、誠に光栄でございます。
本論文の査読、評価をしてくださったIPEC関係者の方々並びに奨励会関係者の方々に御礼申し上げます。また、本研究の第一著者である近藤健史氏、第二著者である稲葉豪氏、及び熱心かつ丁寧なご指導を頂きました小泉裕孝教授らに深く感謝致します。
今後とも電気科学技術分野の発展に少しでも寄与できるよう、日々研究に邁進していく所存でございます。
改めまして、ありがとうございました。

東京理科大学大学院
工学研究科 電気工学専攻
酒井義知

【左】受賞者の本田秀一さん 右は指導教官の小泉裕孝教授





平成29年度IDW'17(ディスプレイ国際アジア地区合同ワークショップ)贈賞式

一般社団法人 映像情報メディア学会(会長・川添雄彦氏)主催のIDW'17の贈呈式が、6月5日(火)、6月6日(水)に東京都港区芝公園の機械振興会館会議室において実施されました。同賞の今回の受賞者は千葉大学大学院 梁壮氏と神奈川工科大学 金澤宏介氏の2名が選出されました。6月5日(火)の授賞式には梁壮氏の指導教官の小林範久教授が、また6月6日(水)の金澤宏介氏の授賞式には指導教官の奥村万規子教授も出席し、賞状と研究助成金の授与にも立会われ表彰を祝っていました。

なお、梁氏の研究テーマは、電子ペーパーのカラー化に関する内容のもの、さらに金澤氏の研究テーマは、ラインディスプレイの点滅制御の最適化に関するものでした。



平成29年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声

この度は、IDW’17において電気科学技術奨励学生賞を受賞させて頂き、非常に嬉しく、光栄に存じております。
本賞に推薦および選考を頂いた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。また、研究を進めるにあたり、ご指導を賜りました本研究室の小林範久教授および中村一希准教授に深く感謝いたします。
今後は、本研究のテーマである、フルカラー表示の電子ペーパーの実現を目標として、より一層研究を進めるとともに、電気科学分野の発展に少しでも貢献できるよう頑張りたいと考えております。

千葉大学大学院
融合科学研究科 情報科学専攻
梁 壮

【左】受賞者の米山勝也さん 左は指導教官の小林範久教授


平成29年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声

この度は、電気科学技術奨励学生賞という名誉のある賞を頂き、誠に光栄に思います。このような名誉のある賞を頂けるというのは、努力が報われた瞬間と言っても過言ではなく、研究の励みになり、今後の活動にも意欲が湧いてきます。
本研究を高く評価して下さった電気科学技術奨励会や映像情報メディア学会関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。
研究を進めるにあたり、親身になって指導してくれた奥村教授や貴重なご意見を下さった教授方には深く感謝致します。また、協力してくれた同期や後輩に改めて感謝致します。誠にありがとうございました。

神奈川工科大学大学院
工学研究科 電気電子工学専攻
金澤宏介

【左】受賞者の米山勝也さん 左は指導教官の奥村万規子教授