電気科学技術奨励賞についてAwards
第70回 電気科学技術奨励賞 受賞者決定
昭和27年に設定されました電気科学技術奨励賞は、本年で第70回を迎えました。毎年関係各位のご協力により多数の隠れたる優れた電気科学技術功労者を表彰することができて、いささかわが国の電気科学技術の進歩発展に寄与するところとなり、深く感謝しております。本年も受賞候補者を数多くご推薦くださりありがとうございました。本年度は全国から38件、104名の候補者推薦の応募があり、去る9月13日(火)に開催した最終審査委員会において慎重、かつ厳正に審査した結果、18件、50名の授賞が決定しました。
電気科学技術奨励賞とは
募集規定
対象者 | 電気科学技術分野に関する発明、研究・実用化、ソフトウェア開発、教育等で優れた業績を上げ、原則として職歴5年以上を有する方。 |
---|---|
募集部門 | 電力・エネルギー分野、産業・交通分野、家電・民生機器及びエレクトロニクス分野、情報・通信分野、教育分野。 |
贈賞 | ●電気科学技術奨励賞 賞状、記念楯(雷神像青銅板入)、助成金を贈賞。(昨年度25件) ●文部科学大臣賞 全受賞者の中から特選1件に贈賞。 ●電気科学技術奨励会会長賞 全受賞者の中から準特選1件に贈賞。 |
締切 | 令和4(2022)年6月30日(木)必着(毎年、原則として6月末締切) |
受賞発表 | 令和4(2022)年10月上旬 |
応募方法 | 本サイトより推薦書用紙をダウンロードして頂き、郵送にてご応募下さい。 |
これまでの受賞者
令和4年度(第70回)までの授賞件数・受賞者数
- 授賞件数1,909件
- 受賞者数4,330名
令和4年度(第70回)の授賞件数は18件、50名が受賞されました。
- ●令和4年度 文部科学大臣賞
- パナソニック ホールディングス株式会社
株式会社 パナソニック システムネットワークス開発研究所
京都大学
「920MHz帯 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの開発と実用化」
- ●令和4年度 電気科学技術奨励会会長賞
- 日本電信電話株式会社
「小型省電力OOLS(Optical Open Line System)の実用化」
これまでの受賞者リスト
- 第70回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第69回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第68回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第67回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第66回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第65回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第64回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第63回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第62回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第61回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第60回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第59回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第58回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第57回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第56回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第55回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第54回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第53回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第52回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第51回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第50回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第49回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第48回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第47回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第46回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
- 第45回電気科学技術奨励賞受賞者名簿
第69回電気科学技術奨励賞受賞作 内容紹介
表示をクリックするたびに、受賞作の内容(概要)の表示・非表示が切り替わります。
電気科学技術奨励賞並びに文部科学大臣賞[1件]
「百万人規模の映像から10秒で未登録の対象人物を発見する映像検索技術の開発と実用化」
日本電気株式会社 | 劉 健全 |
日本電気株式会社 | 西村 祥治 |
日本電気株式会社 | 杉泊 大輔 |
本技術は、映像検索の対象を従来の「登録型」から「登録不要型」へと発展させ、注意を払うべき未登録の対象人物を百万人規模の映像から10秒で発見する新たな映像検索技術である。
近年、安全・安心確保の観点から、街中での見守りなどの対策として、注意を払うべき人物を探し出す映像検索技術へのニーズが高まっているが、検索を必要とする事象発生時には対象人物が誰であるかがわからないことが多く、対象人物をあらかじめ登録することができないために、従来の「登録型」映像検索技術を適用できないという問題があった。そこで、行動心理学に基づく検索手法、および社会心理学で知られている現象から着想を得て、街中で何度も同じ場所に立ち戻るような「躊躇している」「慎重な」といった他の人と異なる行動パターンをしている未登録の対象人物を発見する方法を考案した。しかし、従来の検索手法にそのまま適用するだけでは膨大な計算時間がかかることがわかった。そこで、画像データ間の類似性の伝播関係を用いる新しいデータ構造を考え、検索処理の高速化を実現した。この新たな映像検索技術の開発により、見守り、マーケティング、放送映像編集など幅広い産業分野に応用することが可能となり、安全・安心・快適な社会の実現に貢献している。
電気科学技術奨励賞並びに電気科学技術奨励会会長賞[1件]
「産業用インクジェットヘッド技術の開発と実用化」
パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社 | 吉田 英博 |
パナソニック株式会社 | 中谷 修平 |
パナソニック株式会社 | 深田 和岐 |
近年、ディスプレイの製造工程において、材料利用効率や省エネの観点から、従来の蒸着方式とメタルマスクを組み合わせたパターニング技術に代わる新たな製造手段としてインクジェット印刷方式が注目されている。蒸着方式に対抗するためには、成膜精度の向上、すなわちインクジェット印刷の高精細化と液滴の均一化が必要である。従来のインクジェット印刷方式では、高精細印刷に伴うノズル詰まりや、圧電素子の駆動に伴う隣接ノズルへの影響(クロストーク)により吐出体積がばらつくという問題があった。
そこで、独自のインク循環技術、高出力圧電素子と隣接ノズルへのクロストーク抑制技術、高精細インクジェットヘッドノズルおよび吐出制御方法により、高精細印刷および高粘度インク吐出に対応した新たなインクジェットヘッドを開発した。今回開発したインクジェット印刷方式は、材料利用効率が高いため、今後次世代ディスプレイ分野並びに太陽電池などのエネルギー分野へ展開していく。
電気科学技術奨励賞[23件]
「次世代のICTスキルを持つ技術者教育プログラムの開発とその教育実践」
国際高等専門学校 | 藤島 悟志 |
国際高等専門学校 | 南出 章幸 |
金沢工業大学 | 竹俣 一也 |
産業界においてICT技術者に必要とされている能力が非常に高度化してきており、特にAIに関連するデータサイエンスの知識とスキルが不可欠となってきた。国際高等専門学校(以下、本校)では、これまで工業高専として体験を重視したものづくり教育を中心に技術者の育成を行ってきたが、高度化する次世代のICT技術者育成には新たな教育手法の導入が不可欠であった。
本受賞テーマである“次世代のICTスキルを持つ技術者教育プログラムの開発とその教育実践”は、これらの背景を踏まえて本校学生に工学やプログラミングのみならずデータサイエンスの知識をつける先進的な取り組みである。この次世代の技術者育成の取り組みは本校学生の教育だけを考えるのではなく、地域の小・中・高等学校の生徒も含めた総合的な教育プログラムを検討し実践してきた。具体的には、本校学生が授業で得た専門知識やICTスキルを使って自らが教材材を開発し、出前授業で講師となり児童・生徒にプログラムやデータサイエンスについて解説する。学生達は自身の開発した教材の反応を目の当たりにすることができ、非常にモチベーションが高く教育効果が高い取り組みとなっている。
「電気絶縁油リサイクル技術の開発」
株式会社キューヘン | 尾迫 修二 |
株式会社キューヘン | 井上 暁史 |
九州工業大学大学院 | 森口 哲次 |
高圧配電線から撤去された柱上変圧器(以下、変圧器)が修理または廃棄される場合、充填されている電気絶縁油(以下、使用済絶縁油)は回収され、主に燃料として利用されていた。
今回開発した“電気絶縁油リサイクル技術”は、使用済絶縁油と安価なベントナイトとを混合攪拌させ、ベントナイトが油中の酸化劣化物を吸着、ろ過工程などを経ることで、“JIS C 2320「電気絶縁油」の要求性能を満足する新油相当の電気絶縁油(以下、リサイクル絶縁油)”を精製する方法である(特許第6840325号)。
2021年3月末、福岡県福津市の株式会社キューヘン本社工場内に5kl/日の処理プラントを完成させ、同年9月、リサイクル絶縁油を適用した変圧器の出荷を開始している。今回開発したリサイクル技術は、低コストで有害な廃棄物がないことから、資源の有効活用、循環型社会の構築、CO2排出量削減、電力用資機材のコストダウンへ貢献できるものである。
「高耐熱・高信頼なパワーモジュールを実現する新規鉛フリーはんだ接合技術の開発」
株式会社日立パワーデバイス | 串間 宇幸 |
株式会社日立パワーデバイス | 川瀬 大助 |
株式会社日立製作所 | 池田 靖 |
近年、CO2削減の観点から電気自動車(EV)の普及が進んでいる。そのモータを制御するインバータにはコア部品であるパワーモジュールが搭載されている。
このパワーモジュールには、省エネルギーにつながる低損失化に加えて、車載用途では小型化と低価格化が強く求められる。それらを実現するためには、搭載される半導体素子あたりの電流を大きくできるように、通電時の発熱に耐えられる接合材が鍵となる。
受賞者らは耐熱性が高いSn(錫)-Cu(銅)はんだに、はんだの粒界破壊を抑制する元素を添加することでEV用モジュールの最高許容温度を150℃から175℃まで上昇させ、さらに従来より長寿命化することに成功した。
この結果により、モジュールの高出力密度化、搭載IGBT数低減による低価格化を実現した。開発したはんだは、これまで鉄道用モジュールに用いてきた鉛はんだよりも高信頼であり、鉛はんだを代替することで鉄道用モジュールの完全鉛フリー化を実現した。
「需給調整コストの低減に向けた広域需給調整の構想と実用化」
関西電力株式会社 | 髙間 康弘 |
中部電力パワーグリッド株式会社 | 大石 侑甫 |
北陸電力送配電株式会社 | 中村 和平 |
電力は需要と供給を常に一致させる必要があり、発電・小売電気事業者等は、30分単位で発電電力量と需要電力量の計画と実績を合わせることが求められる。他方、再生可能エネルギーの出力変動や発電出力の予測誤差、小売電気事業者の需要予測誤差等により、発電・需要実績が計画どおりにならない場合があり、これを一致させるために、各一般送配電事業者は調整力を供給区域内の発電事業者等から調達して、電力需給調整を行ってきた。
広域需給調整とは、供給区域を超えて調整力を相互に活用し、全国大で発電単価の安い順に需給調整する、広域メリットオーダーを実現する運用であり、その実現のために広域需給調整システムを開発・実用化した。中部・北陸・関西の3エリアの自主的な取り組みから始まったが、2021年3月には9エリアに展開し、需給調整コスト低減を実現するとともに、需給調整市場における共通プラットフォームとしての役割を担うことで、日々の広域的な調整力の取引が実現可能となった。また、2022年度以降のインバランス料金制度の要として活用される予定である。
「電気・危険体感実習室」
NDKアールアンドイー株式会社 | 西浦 賢 |
電気工事に携わる社員の安全意識を向上させるため、「目で見て触って体感する」をモットーに、電気現象を正しく理解するための「電気・危険体感実習室」、見えない電気を視覚化して高圧電気室の電気の流れをLED光で見せる「電気の見える化」設備、墜落制止用器具の装着による高所体感とダミー人形による落下衝撃を数値で見せる「高所体感設備」など、印象深く学習ができる実習設備を検討し、手作りも含めた整備を行ってきた。
2012年に「電気・危険体感実習室」をスタートさせ、多くの方に体感学習をしていただいたが、2019年に「安全文化創造館」設立、「事故の疑似体験や体感を通して安全と危険に対する感性を高める」を目的として見学や研修内容に「安全文化の創造館」を追加し再構築したことから、2019年度の見学者は社外746人、社内64人、研修は社外252人、社内214人となった。2020年度、2021年度は、コロナ禍の影響で密を避けるために見学や研修は少ない状況であるが、感染防止対策をとりながら、人数制限を行って実施しているところである。
「PSTNマイグレーションおよびIP相互接続の実現」
日本電信電話株式会社 | 伊東 秀記 |
日本電信電話株式会社 | 岡 利幸 |
日本電信電話株式会社 | 上茶 雄 |
現在PSTN(Public Switched Telephone Network)で利用している中継/関門交換機は、今後維持限界を迎えることから、固定電話のコアネットワークをPSTNからIP網へ移行(マイグレーション)する必要がある。このPSTNマイグレーションを実現するために、①中継網IP化技術、②IP相互接続技術、③緊急受付台のIP網収容技術 の3点を中心に、技術確立や標準化対応を行った。
さらに、これら技術を活用し変換装置や呼制御サーバなどのシステム開発・実用化を行うことで2025年までのPSTNマイグレーションおよびIP相互接続の完了に向けた筋道を立て、ライフラインでもある音声通信サービスの継続提供に大きく貢献した。
「シリコンフォトニクスによる集積型大規模光スイッチの研究」
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 | 河島 整 |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 | 鈴木 恵治郎 |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 | 池田 和浩 |
光通信波長帯(1300~1600nm)においてシリコンは透明で、これをコア、酸化物(SiO2)をクラッドとした光導波路は、光デバイスの小型化に有利である。これに基づく光集積回路または集積技術をシリコンフォトニクスと呼ぶ。受賞者らが、本研究を開始した2010年当時、シリコンフォトニクスの応用は、光トランシーバなど集積規模の小さなものに限定されていた。
受賞者らは、そこで使われていた90 nmノード以前の製造技術では、精度・均一性が不足することを確信し、世界に先駆けて45 nmノードの製造設備に適合するシリコンフォトニクスの設計と製造工程を開発し、実用に資する性能を持った大規模光スイッチの製造に成功した。この成果は、シリコンフォトニクスに大規模光集積回路への道をひらくものとなった。
「変電所の新たな耐震設計指針を反映した耐震診断ツール ELECTREEの開発と変圧器ブッシングの非線形地震応答解析の実用化」
一般財団法人 電力中央研究所 | 宮川 義範 |
一般財団法人 電力中央研究所 | 石丸 真 |
一般財団法人 電力中央研究所 | 佐藤 浩章 |
変電所を対象に機器の耐震性を効率的に診断するソフトウェア「ELECTREE」を開発した。本ソフトウェアは、変電所の耐震設計指針(JEAG5003)の改定(2020年1月)で、新たに設計地震力が正弦波からより現実的な地震動による評価に変更されたことを反映し、あらゆる地震動データに対して、地盤の地震応答解析、基礎から上部の変電機器、さらにはリード線を含む地震応答解析の簡便な実施を可能とするものである。
解析結果は、アニメーション方式で表示することが可能であり、地震動の時間経過に伴う機器の応答、損壊に至るメカニズムを把握・診断できる。また、開発にあたっては、2011年東北地方太平洋沖地震で運転不可となる被害率が相対的に高かった変圧器センタークランプ方式ブッシングに対し、建築・土木分野の鉄筋コンクリート構造解析に利用されるファイバーモデルの概念を応用したブッシング基部の新たな回転モデルを開発し、非線形地震応答解析ツールとして実装した。
この新技術は、センタークランプ方式ブッシングの線形応答値を非線形応答値への変換する従来の方法を精緻化する方法として、改定指針などにおいて紹介され、実用に供している。
「世界初の一体輸送を実現した500kVスマートガス絶縁開閉装置(GIS)の実用化」
東京電力パワーグリッド株式会社 | 市原 怜 |
東京電力パワーグリッド株式会社 | 塚尾 茂之 |
東芝エネルギーシステムズ株式会社 | 椎木 元晴 |
経年500kV 気中変電所の設備更新や、新増設工事を短期間の工事期間で実現するために、ユーザとメーカが協働し、さらに一歩踏み込んだ仕様の合理化や新技術の適用により機器の小型化・軽量化を図り、世界で初めて回線単位での一体輸送が可能な500kVGIS の開発に成功した。
一体輸送の実現により現地ドッキング箇所を大幅に削減し、現地工事期間の大幅な短縮を可能にするとともに、信頼性の向上を図った。さらに機器の操作箱やガス密度スイッチを地上から作業が可能な位置に配置することによりシンプルな巡視・点検動線を実現している。加えて、デジタル変電所への対応として各種センサを実装することで、保全に必要なデータを自動収集し、機器の個別状態に応じた保全の実現ならびに巡視・点検の省力化などによるランニングコストの低減にも寄与するものである。
「高エネルギー中性子利用により使用済燃料の再利用効率を高めた沸騰水型原子炉向け燃料構造の開発」
株式会社日立製作所 | 日野 哲士 |
日立GEニュークリア・エナジー株式会社 | 上遠野 健一 |
株式会社日立製作所 | 高橋 志郎 |
核廃棄物の減容と資源有効利用のため、日本は原子炉で燃焼(核分裂)させた後の使用済燃料を繰り返し利用する高速炉サイクルの21世紀後半での実現をめざしている。高速炉サイクル実現まで、日本は既存の軽水冷却炉で使用済燃料を一度だけ再利用し減容する方針だが、再利用後の燃料同位体組成が燃焼しにくいものに変化し、高速炉サイクルでの繰り返し利用が難しくなる課題がある。また、再利用しきれない使用済燃料の蓄積も懸念される。
受賞者らは、これらの課題に対応するため、既存の軽水冷却炉で再利用後も高速炉サイクルでの繰り返し利用を可能としつつ使用済燃料の再利用量を約2倍にできる燃料構造を開発した。さらに、高速炉サイクルにおいて、軽水冷却炉でも使用済燃料の繰り返し利用を可能とするための燃料構造のキーとなる燃料棒スペーサを開発した。
「フィルム型ペロブスカイト太陽電池モジュール技術の開発」
株式会社東芝 | 都鳥 顕司 |
株式会社東芝 | 大岡 青日 |
株式会社東芝 | 森 茂彦 |
パリ協定の目標達成に向けCO2排出を伴わない再生可能エネルギーの総量を増やす必要がある中、現在の太陽電池の主流である結晶シリコン太陽電池は設置条件に重量などの制限があり、普及に限界のあることが課題である。その解決のため、設置形態に制限が少なく、都市や自然景観に溶け込む、軽量でフィルム型の高効率太陽電池の研究開発を進めている。
東芝では、小面積のガラスセルでの条件では高効率が実証されている「塗布型ペロブスカイト太陽電池」について、軽量フレキシブルなフィルム上での作製に展開し、さらに、独自のメニスカス印刷技術を応用した高精度な成膜プロセスやフィルムモジュール加工プロセス、フィルム向けITO技術などを開発した。その結果、実用レベルの面積703cm2で14.1%、と高効率かつ大面積性を併せ持ち、従来より1/10程度の軽量性が可能なフレキシブル太陽電池モジュールを作製することに成功した。
本技術は、太陽電池による発電量拡大の加速をもたらし、CO2排出量削減に大きく寄与することが期待される。本研究開発は、NEDOの委託事業P15003「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発/革新的新構造太陽電池の研究開発/ペロブスカイト系革新的低製造コスト太陽電池の研究開発(2015年度~2019年度)」を受けて実施したものである。
「風力発電システムの落雷対策研究を主体とした実践的教育活動」
松江工業高等専門学校 | 箕田 充志 |
受賞者は、島根県における風力発電システムの落雷被害に着目してきた。その過程で、長年にわたり、多数の産官学の共同研究を行ってきた。同時に、実践的技術者育成のための社会実装テーマとして風力システムの落雷被害対策を取り入れたエンジニア教育を学生に対して行ってきた。実践的な課題を有するテーマに学生が取り組み、学生が優れた研究成果を収め学会での受賞にもつながった。また、当該テーマを多くの大学生・大学院生などに広めるため学会誌に研究室の概要を複数回寄稿し技術的問題点の周知を図った。
これらによってエンジニアとしての能力を向上させる教育を実現することができた。
「光通信用EML集積送信モジュールの開発と実用化」
三菱電機株式会社 | 有賀 博 |
三菱電機株式会社 | 村尾 覚志 |
三菱電機株式会社 | 望月 敬太 |
スマートデバイスが普及することで多くの通信データが集中するデータセンタ内・間では従来の通信機器では処理能力が不足して対応が難しくなってきている。ルータやスイッチなどの通信機器ではより多くのデータを処理するために小型で大容量のデータを取り扱うことができる光トランシーバが求められており、その中のキーパーツである光通信用モジュールについても同様に小型化、大容量化が求められている。
これら要求を実現すべく高密度、高精度接着技術および高効率な光結合調整アルゴリズムを開発し、光波長の異なる4つのレーザを小型のパッケージに集積した大容量の光通信用モジュールを開発した。本製品は100 Gbit/sの光トランシーバに搭載されデータセンタ間をつなぐ光通信機器などに導入されており、動画配信やSNSなどさまざまなクラウドサービスを提供するための通信インフラを支えている。
「プラント工場の安定稼働に貢献する革新的監視技術の開発と実用化」
三菱電機株式会社 | 金丸 誠 |
三菱電機株式会社 | 宮内 俊彦 |
三菱電機株式会社 | 開田 健 |
受賞者は、運転中のモータの電流と電圧から異常検知に必要な特徴量を抽出し、5種類のモータ設備異常(①機械系異常、②回転子バー異常、③ベルト断線、④レヤショート(巻線短絡)、⑤トルク異常)を検知する技術を開発し、世界で初めてモータコントロールセンタ(モータの開閉制御装置)にモータ設備異常検知機能を搭載した。
モータは国内市場で約1億台が稼働しており、石油/化学プラント工場の生産設備や機械設備に必須の動力源である。従来、工場では保全業務者が五感によりモータを定期巡回点検していた。しかし、保守費用削減が進められており、モータの安定な連続運転が見込めない状況に陥りつつあった。本製品の実用化により、保守人員の技術レベルに依存せず、プラント設備の安定稼働の実現、および保守の省力化に貢献でき安心・安全な社会実現の一助を担う。
「InP系ヘテロ構造結晶成長技術の開発およびデバイス性能向上への貢献」
日本電信電話株式会社 | 杉山 弘樹 |
鈴鹿工業高等専門学校 | 横山 春喜 |
日本電信電話株式会社 | 星 拓也 |
情報通信ネットワークにおける信号の送信と受信の性能を決める重要な要素部品の1つに、半導体で構成され、光と電気のインタフェースを担うフロントエンドデバイスがある。高速大容量光通信においては、このデバイスに優れた速度性能や高感度特性・高電流駆動能力が求められ、無線通信においては、最も高周波な信号を取り扱い、広帯域、高出力、低雑音特性が必要となる。
本受賞案件は、フロントエンドデバイスの構成要素となる、InP系化合物半導体を材料とする超高速トランジスタや受光素子の高性能化・高信頼化を実現するための、有機金属気相成長(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition: MOCVD)法を用いた半導体エピタキシャル結晶成長技術に関する。具体的には、ヘテロ構造における優れた界面急峻性や組成・ドーピング濃度の高精度制御を実現するものであり、本技術を基盤として、従来限界を超える性能のデバイスを実現した。
これらの化合物半導体デバイスは、実際に光通信用ネットワークに適用され、その性能の高さから、ネットワークの高度化・高速大容量化を可能にしただけでなく、新たなネットワーク方式の追究にも貢献している。研究開発面でも光と無線のそれぞれの通信分野において世界最高性能のデバイスを実現しており、世界レベルで技術を先導している。
このように実用化と研究開発の両面で大きな貢献をしている技術である。
「協働ロボット搭載形無人搬送車(AGV)の開発」
株式会社明電舎 | 米野 敬祐 |
株式会社明電舎 | 松下 祐也 |
株式会社明電舎 | 松下 尚弘 |
労働人口減少による人手不足が深刻な社会問題となっている。また、最近のパンデミックをきっかけに、省人化、産業用ロボットの導入が加速されつつある。しかしながら、製品のマテリアルハンドリング(以下、マテハン)作業(取り・運ぶ・置く)の自動化を検討する際、工程ごとに多数のロボットを導入する必要があり、コスト増やロボットの稼働率低下が課題であった。
そこで当社は、生産工場や物流倉庫内で自律走行し、人と共存してさまざまな部品のピッキングや搬送作業を実現する、協働ロボット搭載形無人搬送車(以下、AGV)を開発した。
全方位走行、自律移動式の採用、安全機能、揺動抑制機構、さらにはバッテリ自動充電などの機能を備え、設備のレイアウトが頻繁に変わる生産現場でも柔軟に走行し、人とロボットが共存して作業を行うマテハン作業の自動化を1台のAGVで実現した。
「ゲリラ豪雨から地域を守る下水管きょ内水位把握システムの開発」
株式会社明電舎 | 森 千穂 |
株式会社明電舎 | 脇田 明弘 |
株式会社明電舎 | 川北 正人 |
全国各地でゲリラ豪雨が頻発し、市街地ではマンホールから突然水が吹き上がる浸水被害も相次いでいる。日本国内には総延長47万キロと地球から月までの距離を優に超える下水道網が張り巡らされているが、下水管きょ内の情報はリアルタイムに把握されていない。計画を上回る大雨が起きても水位が把握できず国や自治体は頭を抱えている。
この問題を解決するため、当社は、XRAIN※注1の降雨情報とマンホールアンテナ※注2による水位情報をクラウドへ送信し蓄積されたデータを解析することで冠水予測などを可能にする「管きょ内水位把握システム」を開発した。本システムにより、浸水被害の最小化、浸水被害の早期周知、雨水管理の効果的運用による防災ソフト対策が可能となった。現在までに50以上の自治体で活用されている。
※注1. XRAIN(eXtended RAdar Information Network)は、国土交通省が運用する高性能レーダ雨量計ネットワークである。
※注2. 当社と東京都下水道サービス株式会社、日之出水道機器株式会社との共同開発品である。
「スーパーコンピュータ向けプロセッサ用数学関数高速化技術の開発と実用化」
富士通株式会社 | 本藤 幹雄 |
スーパーコンピュータは、気象・地震等の地球環境予測や航空機や自動車等の流体・構造解析、創薬等の遺伝子解析等、さまざまな課題で使用されており、その需要は年々高まっている。これらの課題解決のために、スーパーコンピュータ上で科学技術計算が実行される。この科学技術計算においては、加減乗除などの基本演算以外に、三角関数や指数関数、対数関数などの数学関数が多く用いられるが、これらの数学関数は処理が複雑なため、既存命令を組み合わせ、ソフトウェアによって演算を行なっており、処理に時間がかかることが長年の課題であった。
本技術開発においては、数学関数の複雑な関数処理を、既存命令で処理可能な部分と専用命令で高速化が可能な部分に分解し、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて演算処理することで、回路規模の増加を抑えることと、科学技術計算に求められる演算精度を満たすこと、そして、演算処理の高速化を、同時に実現したことが特徴である。本技術は、スーパーコンピュータ「京」で、初めて採用され、長年改良を加えながら、最新のスーパーコンピュータ「富岳」までのすべてのスーパーコンピュータで採用されている。
「インバリアント分析技術による大型インフラシステムの異常予兆検知技術」
日本電気株式会社 | 相馬 知也 |
NEC Laboratories America | Chen Haifeng |
日本電気株式会社 | 棗田 昌尚 |
工場や発電所などの大規模プラントの障害や事故は、事業者の損失だけでなく、社会や産業にさまざまな影響を与える。プラント監視は運転員が各センサを閾値監視する運用が一般的であるが、閾値を超えない兆候を見過ごす、経験や力量により原因推定に時間がかかるなどの問題があった。
本技術は、多数のセンサから収集された時系列データを分析・学習し、通常時に存在するセンサ間の不変的な関係性を「いつもの状態」として自動的にモデル化し、推定値と実測値を比較して、異常(いつもと違う状態)を予兆段階で早期に検出するインバリアント分析技術である。時間基準メンテナス(TBM)からの移行が進みつつある状態基準メンテナンス(CBM)よりも、さらに進んだリスク基準メンテナンスが設備状態の正確な把握を行うことで可能になる。これによってプラントの設備保全の効率化とコスト低減、安定稼働を実現し、国民生活の安全・安心・安定に貢献している。
「サイバー攻撃リスクを洗い出す自動診断技術の開発と実用化」
日本電気株式会社 | 井ノ口 真樹 |
日本電気株式会社 | 木下 峻一 |
日本電気株式会社 | 柳生 智彦 |
これまでセキュリティ専門家が人手で行っていたリスク分析作業を、仮想システムモデル上でシミュレートする技術を開発、実用化した。
本技術は仮想システムモデル上で診断することから、実システムに影響を与える危険性がないため、電力・ガスなどの重要インフラ設備や工場などの高い可用性が要求されるシステムの診断にも活用できる。この優位性に基づき、自治体や重要インフラ事業者、製造業などさまざまな組織・企業との実証実験を通じて分析精度の高さと出力結果の有用性を検証し続けた結果、本技術を利用したサイバー攻撃ルート診断サービスの立ち上げを実現した。
「車載ECUのソフトウェアを安全に遠隔更新するOTAソリューションの開発と実用化」
日立Astemo株式会社 | 片岡 幹雄 |
株式会社日立製作所 | 山﨑 裕紀 |
株式会社日立製作所 | 寺岡 秀敏 |
現代の自動車はパワートレイン制御、高度運転支援制御をはじめ数十個の電子制御装置(ECU)が搭載され、制御ソフトウェア(SW)の担う役割が大きくなっている。SWによる制御の比重が増えることで、SWを更新して機能を追加し、自動車の価値を向上することも期待できる。従来、自動車のSW更新は整備士が行うことが一般的であり、タイムリーな更新は困難であった。
そこで、スマートフォンなどに採用されている無線による遠隔更新いわゆるOver the Air(OTA)SW更新を自動車に適用する際の3つの課題を解決する技術を開発し、OTAソリューションとして実用化した。具体的には、セキュア・高信頼に更新を制御する「高信頼更新制御技術」、限られた通信帯域・メモリリソース下でも短時間で更新を行う「差分更新技術」、相互接続性を向上する「多様なECUの接続・制御技術」を開発した。今後、自動車の制御SWの高信頼な遠隔更新が普及することで、より安全で快適なモビリティ社会の発展が期待される。
*ECU: Electronic Control Unit
「パスワードレス個人認証の研究開発、国際標準化、並びに商用化」
ヤフー株式会社 | 五味 秀仁 |
ヤフー株式会社 | 大神 渉 |
ヤフー株式会社 | 伊藤 雄哉 |
スマートフォンなど利用者デバイス内蔵の生体認証機能(指紋・顔など)を用いて、追加デバイスやパスワードなしで安全に個人認証できる技術を開発し、利用者数日本最大のYahoo! JAPANサービス(ニールセン調べ、2020年)の認証サーバに実装して世界で初めて商用化した。
パスワードに代わる認証を標準化する業界団体FIDO(Fast Identity Online)アライアンスで策定され、インターネット業界最大の標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)でパスワード不要の個人認証仕様として勧告化されたWebAuthn(Web Authentication)の導入や、FIDOアライアンスエディタとしてのFIDO白書執筆などの活動を通して、同仕様の普及に貢献した。FIDO設定した累計1,000万人以上が利用する商用化されたサービスの評価を通じて、パスワードレス認証の有効性を実証した。
「再エネ連系による逆潮流に対応可能な高圧柱上短絡遮断器の開発」
九州電力送配電株式会社 | 伊藤 秀隆 |
九州電力送配電株式会社 | 田中 将 |
株式会社戸上電機製作所 | 鶴田 洋也 |
配電線末端付近など、短絡時の事故電流が小さく変電所の過電流継電器で検出できない区間は、柱上ガス遮断器(以下、遮断器という)にて過電流を検出し短絡保護を行うが、分散型電源の大量連系により過電流設定値以上の逆潮流が流れる場合は不要遮断するため、遮断器の設定変更や系統構成の見直しが必要となるなど系統運用が困難な状況となっている。
今回、短絡を確実に検出・遮断し、かつ逆潮流では不要遮断しない遮断器を開発し、逆潮流発生時も設定変更や系統構成を見直すことなく運用が可能となった。
開発した遮断器は短絡検出方式の見直しにより、現行遮断器よりも広範囲の保護範囲を実現し、遮断器の設置台数削減が可能であるとともに、瞬時励磁方式の採用による電力損失の抑制を図った。
電気科学技術奨励賞 贈呈式
第70回 電気科学技術奨励賞贈呈式を開催しました
公益財団法人 電気科学技術奨励会主催の第70回電気科学技術奨励賞贈呈式が、去る11月25日(金)に東京神田の学士会館において開催されました。
1. 開催概要
第70回電気科学技術奨励賞には、多数の機関・団体から受賞候補者のご推薦を頂き、38件、104名の応募が寄せられました。9月13日(火)に行われた最終審査委員会において、受賞候補の中から18件、50名の電気科学技術奨励賞受賞者を決定しました(第70回電気科学技術奨励賞受賞者名簿)。
全受賞者の中から、「920MHz帯 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの開発と実用化」(パナソニック ホールディングス株式会社、株式会社 パナソニック システムネットワークス開発研究所、京都大学)が特選1件として選ばれ、文部科学大臣賞に輝きました。さらに、特選に次ぐ1件として、「小型省電力OOLS(Optical Open Line System)の実用化」(日本電信電話株式会社)が電気科学技術奨励会会長賞に選ばれました。
今回の受賞者を加え、第1回から第70回までのトータル受賞件数は1,909件、受賞者数は延べ4,330名に達しております。
本奨励賞の贈呈式には例年、受賞者をはじめ、受賞者のご家族、及び多くのご来賓をご招待していますが、今年は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、ご出席者を絞った形での式典とさせて頂くことになりました。ご出席頂けない方々への配慮として、贈呈式の模様を、インターネットを通じて簡易な形式で配信することになりました。
2. 贈呈式レポート
秋も深まった11月25日(金)、第70回電気科学技術奨励賞贈呈式が、東京の学士会館にて午後4時30分に開会しました。
式典ではまず、当会の日髙邦彦会長が式辞を述べ、さらに審査委員会委員長として審査結果の報告を行いました。
次に、受賞者全員に電気科学技術奨励賞の賞状と副賞(雷神像の記念楯、賞金)の贈呈があり、引き続いて文部科学大臣賞の贈呈、電気科学技術奨励会会長賞の贈呈と進みました。
各賞の贈呈の後、文部科学省研究振興局長による祝辞(代読・丸山智 文部科学省 研究振興局 振興企画課 奨励室長)が披露されました。さらに、今回、来賓としてはご招待できませんでしたが、3省庁(総務省国際戦略局長、国土交通省大臣官房技術総括審議官、経済産業省資源エネルギー庁長官)より賜ったご祝辞を、司会者が代読しました。
その後、全受賞者を代表して、文部科学大臣賞受賞のパナソニック ホールディングス株式会社の谷博之氏が答辞を読み上げました。続いて、谷氏により大臣賞受賞作の内容が解説されました。
文部科学大臣賞受賞作の解説をもって、贈呈式は滞りなく終了しました。
公益財団法人電気科学技術奨励会は、電気科学技術奨励賞を主事業として、今後も次世代を担う電気科学技術を支える研究者、技術者、教育者の顕彰と支援を行い、また内閣府および文部科学省の傘下にあって科学技術立国を目指す人材の育成を通して社会貢献に努めてまいりたいと存じます。
贈呈式会場
受付(右手前は展示された記念楯)
式辞を述べる日髙会長
奨励賞受賞を祝して壇上にて記念撮影
文部科学大臣賞の授与
奨励会会長賞の授与
文部科学省研究振興局長祝辞
(代読・丸山智 文部科学省研究振興局 振興企画課奨励室長)受賞者代表による答辞
文部科学大臣賞受賞作の内容解説
未来の研究者・技術者の育成のために
電気科学技術奨励学生賞とは
概要
電気科学技術奨励学生賞は、日本国内で開催される国際会議において、優秀な論文を発表した大学院生・大学生を対象に顕彰します。主に電気系5学会(電気学会、電子情報通信学会、情報処理学会、映像情報メディア学会、照明学会)のご推薦をいただきながら、毎年10人程度を上限に賞状と研究助成金を贈呈するものです。なお、電気系5学会以外の学生が参加を認められている電気関連国際会議がありましたらご紹介いただきたいと存じます。

これまでの受賞者
年度(回数) | テーマ | 表彰人数 |
---|---|---|
平成30年度 (第13回) |
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '18) | 2件、2名 (国内の学生2名) |
平成30年度 (第12回) |
パワーエレクトロニクスに関する国際会議 (IPEC-Niigata 2018) |
5件、5名 (国内の学生2名、海外の学生3名) |
平成29年度 (第11回) |
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '17) | 2件、2名 (国内の学生1名、海外の学生1名) |
平成28年度 (第10回) |
電気機器及びシステムの分野における国際会議 (ICEMS 2016) |
8件、8名 (国内の学生5名、海外の学生3名) |
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '16) | 1件、1名 (国内の学生1名) |
|
平成27年度 (第9回) |
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '15) | 1件、1名 (国内の学生1名) |
平成26年度 (第8回) |
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '14) | 2件、2名 (国内の学生1名、海外の学生1名) |
パワーエレクトロニクスに関する国際会議 (IPEC - Hiroshima 2014) |
3件、3名 (国内の学生2名、海外の学生1名) |
|
平成25年度 (第7回) |
ディスプレイ国際ワークショップ(IDW '13) | 2件、2名 (国内の学生1名、海外の学生1名) |
平成25年度 (第6回) |
ソフトウェアプロダクトラインに関する国際会議(SPLC) | 3件、3名 (国内の学生1名、海外の学生2名) |
平成24年度 (第5回) |
電気機器及びシステムの分野における国際会議(ICEMS) | 4件、4名 (国内の学生3名、海外の学生1名) |
平成24年度 (第4回) |
民生用電子技術に関する国際会議(IEEE GCCE 2012) | 5件、5名 (国内の学生3名、海外の学生2名) |
平成23年度 (第3回) |
誘電・絶縁材料に関する国際会議(ISEIM 2011) | 10件、10名 (国内の学生4名、海外の学生6名) |
平成22年度 (第2回) |
パワーエレクトロニクスに関する国際会議 (IPEC-Sapporo 2010) |
10件、10名 (国内の学生5名、海外の学生5名) |
平成21年度 (第1回) |
電気機器及びシステムの分野における国際会議(ICEMS) | 9件、9名 (国内の学生6名、海外の学生3名) |
平成21年〜平成30年までの学生賞受賞者分布

●国内外の国別受賞者数
(平成30年5月31日 現在)
- 日本 34名
- 中国 6名
- アメリカ 3名
- スウェーデン 2名
- マレーシア 3名
- フランス 1名
- オランダ 1名
- デンマーク 1名
- バングラデシュ 1名
- タイ 1名
- ベトナム 1名
- フィリピン 1名
- 台湾 1名
- 韓国 1名
- ドイツ 2名
- インドネシア 1名
●国内の都道府県別受賞者数
(平成30年5月31日 現在)
- 東京 14名
- 大阪 5名
- 愛知 3名
- 新潟 3名
- 宮城 1名
- 岐阜 1名
- 広島 1名
- 福岡 1名
- 長崎 2名
電気科学技術奨励学生賞 贈呈式
平成30年度電気科学技術奨励学生賞の贈呈式を開催(IDW'18での優秀論文)
IDW'18(The 25th International Display Workshops:ディスプレイ技術分野の国際ワークショップ)が平成30年12月12日より14日まで、名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)で開催されました。当法人は、このワークショップで優秀な論文を発表した主として国内外の大学院生に対して、賞状及び研究助成金を贈呈しています。今回のワークショップでは、日本の大学院生2名が平成30年度電気科学技術奨励学生賞を受賞されました。
贈呈式は、平成31年3月12日(火)に東京都港区芝公園の機械振興会館会議室において実施されました。同賞の今回の受賞者として、東京大学大学院 平木剛史氏と筑波大学大学院 富田洋文氏の2名が選出されました。贈呈式には平木剛史氏の指導教官の苗村健教授も出席し、賞状と研究助成金の授与にも立ち会われ、表彰を祝っておられました。
なお、平木氏の研究テーマは、可視光通信プロジェクタにおいて、ハードウェア符号化を用いることで高画質とインタラクティブな情報更新を両立させる手法に関するもの、富田氏の研究テーマは、静電気力を用いた触覚ディスプレイにおける触覚強度のモデル化に関するものでした。
平木剛史氏への贈呈
富田洋文氏への贈呈
平成30年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声
この度は、IDW'18における発表について電気科学技術奨励学生賞を頂くことができ、非常に光栄でございます。
本論文を査読、評価して頂いたIDW関係者の方々並びにご推薦頂いた映像情報メディア学会、そして奨励会関係者の方々に厚く御礼申し上げます。また、本研究を進めるにあたり熱心かつ丁寧な御指導を賜りました苗村健教授に深く感謝致します。
今後も、電気科学技術分野の発展に寄与できるよう、研究活動に邁進していきたいと考えております。
誠にありがとうございました。
東京大学大学院
情報理工学系研究科 電子情報学専攻
平木剛史

平成30年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声
この度はIDW'18にて電気科学技術奨励学生賞を受賞させて頂きありがとうございます。また、本論文を査読及び評価し、栄誉ある本賞に推薦していただいた関係者の方々にも心から感謝申し上げます。
本賞の受賞で得られた研究に対する自信を今後の研究に活かすと共に、研究テーマである「触覚ディスプレイ」の発展に貢献できるよう日々努力していきます。
最後に、本賞に至るまでに助言を頂いた指導教員の高橋伸准教授を始めとする共著者の皆様には感謝致します。本当にありがとうございました。
筑波大学大学院
システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻
富田洋文

平成30年度電気科学技術奨励学生賞の贈賞式を開催

平成30年度電気科学技術奨励学生賞として、IPEC-Niigata 2018(2018 International Power Electronics Conference, IPEC-Niigata 2018 -ECCE Asia- : パワーエレクトロニクスに関する国際会議)が平成30年5月20日より24日まで、ANAクラウンプラザホテル新潟(新潟県・新潟市)で開催された。この会議は電気学会産業応用部門主催のIPECとして、日本、韓国、中国の電気学会の共催により各国持ち回りで開催されている。2018年は日本が開催国であった。
当法人は、この会で優秀な論文を発表した主として国内外の大学院生に対して、賞状及び研究助成金を贈呈している。今回は日本の大学院生2名(長岡技術科学大学、東京理科大学)、インドネシアの大学院生1名、中国の大学院生1名、アメリカの大学院生1名の計5名が受賞された。
贈賞式は、5月24日(木)19:00から行われたバンケットの会場で、論文委員長の宇都宮大学・船渡寛人先生の紹介で、全員が壇上に参集し、賞状と研究助成金を受け取った。会場は総立ちになり、バンケット会場には歓声と拍手がこだまし、若者に喜びのエールが送られた。
バンケット風景(参加者は約1,000名)
賞状の授与
表彰者リストの紹介
平成30年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声
この度は、IPEC-Niigata 2018にて電気科学技術奨励学生賞という栄誉ある賞を頂きまして、誠に光栄でございます。
本論文の査読、評価をしてくださったIPEC関係者の方々並びに奨励会関係者の方々に御礼申し上げます。また、本研究の第一著者である近藤健史氏、第二著者である稲葉豪氏、及び熱心かつ丁寧なご指導を頂きました小泉裕孝教授らに深く感謝致します。
今後とも電気科学技術分野の発展に少しでも寄与できるよう、日々研究に邁進していく所存でございます。
改めまして、ありがとうございました。
東京理科大学大学院
工学研究科 電気工学専攻
酒井義知

平成29年度IDW'17(ディスプレイ国際アジア地区合同ワークショップ)贈賞式
一般社団法人 映像情報メディア学会(会長・川添雄彦氏)主催のIDW'17の贈呈式が、6月5日(火)、6月6日(水)に東京都港区芝公園の機械振興会館会議室において実施されました。同賞の今回の受賞者は千葉大学大学院 梁壮氏と神奈川工科大学 金澤宏介氏の2名が選出されました。6月5日(火)の授賞式には梁壮氏の指導教官の小林範久教授が、また6月6日(水)の金澤宏介氏の授賞式には指導教官の奥村万規子教授も出席し、賞状と研究助成金の授与にも立会われ表彰を祝っていました。
なお、梁氏の研究テーマは、電子ペーパーのカラー化に関する内容のもの、さらに金澤氏の研究テーマは、ラインディスプレイの点滅制御の最適化に関するものでした。
平成29年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声
この度は、IDW’17において電気科学技術奨励学生賞を受賞させて頂き、非常に嬉しく、光栄に存じております。
本賞に推薦および選考を頂いた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。また、研究を進めるにあたり、ご指導を賜りました本研究室の小林範久教授および中村一希准教授に深く感謝いたします。
今後は、本研究のテーマである、フルカラー表示の電子ペーパーの実現を目標として、より一層研究を進めるとともに、電気科学分野の発展に少しでも貢献できるよう頑張りたいと考えております。
千葉大学大学院
融合科学研究科 情報科学専攻
梁 壮

平成29年度 電気科学技術奨励学生賞 受賞者の声
この度は、電気科学技術奨励学生賞という名誉のある賞を頂き、誠に光栄に思います。このような名誉のある賞を頂けるというのは、努力が報われた瞬間と言っても過言ではなく、研究の励みになり、今後の活動にも意欲が湧いてきます。
本研究を高く評価して下さった電気科学技術奨励会や映像情報メディア学会関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。
研究を進めるにあたり、親身になって指導してくれた奥村教授や貴重なご意見を下さった教授方には深く感謝致します。また、協力してくれた同期や後輩に改めて感謝致します。誠にありがとうございました。
神奈川工科大学大学院
工学研究科 電気電子工学専攻
金澤宏介
