電気科学技術講演会についてMeeting
第60回 電気科学技術講演会のお知らせ
2022年6月27日 掲載
公益財団法人 電気科学技術奨励会(会長・日髙邦彦、理事長・横山明彦)は、第60回電気科学技術講演会を、8月10日(水)に下記の要領で開催いたします。多くの方のご参加をお待ちしています(多数の聴講者が見込まれますので、先着順・事前予約制とさせていただきます)。
詳細はこちら電気科学技術講演会とは
各分野の日本を代表するエキスパートによる
時代のトレンドを捉えた講演会
昭和37(1962)年から毎年4月に文部科学省が主催する「科学技術週間」の行事に参加し、「電気科学技術講演会」を催し、電気科学技術の普及啓発に努めています。テーマは、電気科学技術に関してその時代の重大関心事を選び、その道の権威者に講師を依頼して実施しております。講演会場には電力界、産業界、学界、官界、学生など広い分野から多数参加者が見え、熱心に聴講しておられます。

会場入口の受付風景
講演の様子
会場ロビーの様子
第59回 電気科学技術講演会を開催
電気科学技術講演会 当日レポート
第59回電気科学技術講演会を、去る8月11日(水)、オンライン形式で開催しました。
近年、IoT技術の進展により取得できるようになった大量のデータからAI技術を用いて必要な情報を取り出し活用する手法が様々な分野で研究・適用されています。そこで今回、「AI技術の電力・エネルギー分野への応用」と題し、電力・エネルギー分野において、取得した大量のデータから、AI技術を用いて必要な情報を取り出し、活用する手法について、3名の講演者に解説して頂きました。
最初に、当会の日髙邦彦会長が開会のご挨拶を述べました。ご挨拶の中で、本講演会は、昨年、第59回を迎える予定が、新型コロナウイルス感染症拡大のリスクが続いたため、昨年の開催を見送り、今回、改めて「第59回電気科学技術講演会」を実施すること、また現在も、新型コロナウイルス感染症拡大のリスクが依然として続いているため、感染症拡大防止の観点から、オンライン開催とすることになった経緯も述べられました。
引き続き、3名の講演者が、それぞれの専門の立場から、AI技術を電気事業に応用する際の考え方や手法について、実例を交えながら紹介しました。
電力中央研究所の堤富士雄氏の講演では、「電気事業におけるAI活用の見取り図」と題して、電気事業を取り巻く環境の変化と、AIを含むDXを推進する際のポイント、AI活用の課題と活用事例について解説して頂きました。
東京電力ホールディングスの中田安彦氏の講演では、「東京電力におけるAI・IoT活用の取組み ~電力流通部門のAI・IoT研究開発及び活用事例~」と題して、東京電力における電力ネットワークの維持・運営に関する課題とAI・IoTを適用した研究開発と活用事例について解説して頂きました。
東芝の進博正氏の講演では、「再生可能エネルギー(再エネ)導入拡大に応えるAI技術」と題して、電力エネルギーシステムのメガトレンド、将来の見通し、再エネ分野へAI技術を活用した事例について解説して頂きました。
最後に、当会の横山明彦理事長が閉会のご挨拶を述べ、本講演会は終了しました。
本講演会には360名の方にご参加頂きました。各講演では、参加者による質疑も活発に行われ、電力・エネルギー分野へのAI技術の活用、および、IoTを含めたDX推進の動きに対する関心の高さを伺い知ることができました。
好評だった近年の講演テーマ・内容
第59回(令和3年度)電気科学技術講演会
AI技術の電力・エネルギー分野への応用
日時:令和3年8月11日(水)14:30~17:30
会場:オンライン開催
主催:公益財団法人 電気科学技術奨励会
東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻
先端電力エネルギー・環境技術教育研究 アライアンス(APET)
(2団体共催)
後援:一般社団法人 電気学会、株式会社オーム社
- 講演1 電気事業におけるAI活用の見取り図
- 堤 富士雄氏
(一般財団法人 電力中央研究所
グリッドイノベーション研究本部 ENIC部門長
博士(工学)) - 講演2 東京電力におけるAI・IoT活用の取組み
~電力流通部門のAI・IoT研究開発及び活用事例~ - 中田 安彦氏
(東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所
技術開発部 次世代電力インフラエリア
発変電スマートO&Mプロジェクトマネージャー) - 講演3 再生可能エネルギー(再エネ)導入拡大に応えるAI技術
- 進 博正氏
(株式会社東芝 研究開発センター 知能化システム研究所
システムAIラボラトリー
博士(理学))
第58回(平成31年度)電気科学技術講演会
進化する“くるま”の電動化と要素技術
- 総論 くるまの電動化の歴史と展望
- 渡邊 昇治氏(経済産業省 大臣官房審議官)
- 電動車の動向
- 上原 隆史氏
(トヨタ自動車株式会社 パワートレーン製品企画部 チーフエンジニア) - 車載用リチウムイオン電池の現状と今後の展望
- 小林 弘典氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 総括研究主幹)
- 電動車両用パワーエレクトロニクスの技術動向
- 奥田 達也氏
(三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 モーター駆動システム技術部 部長) - 自動運転の動向
- 渡辺 純氏(日産自動車株式会社 企画・先行技術開発本部技術企画部 主管)
- 空飛ぶクルマの現状と将来展望
- 三上 建治氏(経済産業省 製造産業局 デジタル戦略官)
第57回(平成30年度)電気科学技術講演会
2019年エネルギー・イノベーション〜スマートグリッド最新情報〜
- 総論 「電力システムのスマート化と将来展望
- 工学博士 横山 明彦氏(東京大学大学院 教授)
- 新島におけるスマートグリッドの実証試験
- 博士(工学) 蘆立 修一氏(東京電力ホールディングス株式会社
経営技術戦略研究所 副所長兼技術開発部長) - 再生エネルギー大量連系に向けた今後の取組み
- 和仁 寛氏
(九州電力株式会社 送配電カンパニー 電力輸送本部 部長(系統運用)) - 重要性を増すスマートインバータ
- 博士(工学) 林 泰弘氏(早稲田大学大学院 電気・情報生命専攻 教授
スマート社会技術融合研究機構 機構長) - 需要家の産業用機器の制御と運用の最適化
- 博士(工学) 馬場 旬平氏(東京大学大学院 新領域 創成科学研究科 准教授)
- 電力業界におけるブロックチェーン利用に関して
- 武田 泰弘氏
(東京電力ホールディングス株式会社 新成長タスクフォース 第二グループ)
第56回(平成29年度)電気科学技術講演会
IoT時代の企業・社会インフラの取組みの現状と期待
- 総論 IoTの動向と課題
- 渡邊 昇治氏(経済産業省 商務情報政策局 情報政策課長)
- ロボット、IoT、AIにより大きく変わるこれからのものづくり
- 工学博士 榊原 伸介氏
(ファナック株式会社 常務理事 ロボット事業本部 技監) - 自動運転を支える技術と開発の取組み
- 金光 寛幸氏(トヨタ自動車株式会社 コネクテッド統括部 総括室 主査 )
- 鉄道におけるIoTの活用に向けた研究開発
- 博士(工学) 古川 敦氏
(公益財団法人 鉄道総合技術研究所 研究開発推進部長) - 宅配事業の品質と安全を支えるしくみ
- 小坂 正人氏
(ヤマトホールディングス株式会社 法務・CSR戦略担当 マネージャー)
第55回(平成28年度)電気科学技術講演会
産業・社会システムとサイバーセキュリティ
- 何故今サイバーセキュリティか
- 安田 浩氏
(工学博士 公益財団法人電気科学技術奨励会 会長
学校法人東京電機大学 学長) - マイナンバーとサイバーセキュリティ
- 向井 治紀氏(内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室長代理)
- 東京オリンピック・パラリンピックとサイバーセキュリティ
- 舘 剛司氏(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 テクノロジーサービス局長)
- スマートメータとサイバーセキュリティ
- 久世 祐輔氏(東京電力株式会社スマートメータ推進室 室長)
- ロボットのディペンダビリティ
- 大場 光太郎氏(工学博士 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
ロボットイノベーション研究センター副センター長) - 医療とサイバーセキュリティ
- 落合 慈之氏(医学博士 東京医療保健大学 学事顧問)
第54回(平成27年度) 電気科学技術講演会
モノづくりの革命をめざす!
3Dプリンタ技術の現状と産業への応用
- 総論/3Dプリンタブーム
- 新野 俊樹氏(博士(工学) 東京大学生産技術研究所 教授)
- なぜ3Dプリンタを使うのか/仕組みと研究開発の現状
- 京極 秀樹氏(工学博士 近畿大学教授 次世代基盤技術研究所・3D造形技術研究センター長)
- 3Dプリンタにおけるソフトウェアと材料
- 山形 一浩氏(シーメット株式会社)
- 産業分野の活用事例集
- 小岩井 修二氏(株式会社コイワイ)
堀 秀輔氏(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構)
寺西 正俊氏(パナソニック株式会社)
第53回(平成26年度) 電気科学技術講演会
スマート社会実現に向けて
―電力系統の高度利用を目指して―
- スマート社会を支える電力系統
- 横山 明彦氏(工学博士 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授)
- スマートグリッドの構築に向けて
- 林 泰弘氏(工学博士 早稲田大学先進グリッド技術研究所(RIANT) 所長)
- スマート社会に向けた電力会社の取り組み
- 岡本 浩氏(東京電力株式会社 パワーグリッドカンパニー系統エンジニアリングセンター所長)
- スマートハウスを実現する公知な標準インタフェース“ECHONETLite™”
- 平原 茂利夫氏(エコーネットコンソーシアム運営委員長)